2020/12/28 12:41

コロナで亡くなった、あの個性派選手。斬新!ドライブイン・プロレス!「プロレスとコロナ」を総括!

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コロナで亡くなった、あの個性派選手。斬新!ドライブイン・プロレス!「プロレスとコロナ」を総括!
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イベントの集客数上限も、5,000人に逆戻り。


 今年の3月20日、あるレスラーを取材しに、岡山県まで出かけた。フードコートでざっくばらんにインタビューをしたのだが、彼は言った。「東京じゃ大変でしょう?岡山では、まだ、1人の感染者も出てないんですよ」その時点で、それは事実だった。沢山の飲食目当ての客が、私たちの前後を行き来していたのが懐かしい。

 あれから9ヶ月。もう一年も終わろうとしている最中、コロナ禍がまたしても広がっている。12月23日には、東京都を対象に来月11日まで、大規模イベントの人数制限の上限を5,000人に戻す方針が政府から発表されたばかり。既に販売したチケットのキャンセルは求めず、新規販売で上限を超えないよう主催者らに自粛を要請とのことだが、直近で言えば、新日本プロレスの東京ドーム大会(2021年1月4日、5日)など、影響を被ることは必至。だが、立ち止まってもいられない。光明を見出しつつの歩みが、今後も業界には求められることだろう。

 今回の当欄は、まさにこのコロナに振り回された一年を総括。また、かような状況の中でも希望を失わず、各選手や団体がして来た諸々の前向きな取り組みについても書き残しておきたい。

中止になった、ビッグマッチの数々。


『19万3748人減』。23日、本年最後の大会を終えた新日本プロレスの、国内年間観客動員の変化である(※昨年と比較)。41万7000人を動員した2019年に比べ、今年の動員は、計22万3903人。コロナによる大会中止が大きく影響したのは言うまでもない。

 実際、各団体は、特に4月、5月と、軒並み大会中止に追い込まれた。時勢を鑑み、予定されていたビッグマッチも中止に。新日本プロレスは3月31日、両国国技館大会、また、8月22日に予定されていたニューヨーク・MSG大会を中止に。ノアも6月には、「現段階で困難と判断」し、11月に予定されていた両国国技館大会(22日)を開催見合わせ。4月15日には長与千種を長とするGAEA JAPANの復活興行が延期に(後楽園ホール)。DDTは、6月7日のさいたまスーパーアリーナ大会を断念。この興行には義足ながら聖火ランナーを務めるはずだった谷津嘉章も登場予定だったが、東京五輪の延期により、聖火ランナー自体が実現に至らず。“アマレス最強の男”とされ、1980年のモスクワ五輪でメダルが有力視されていたが、同大会への日本不参加により、無冠に終わった谷津。「五輪には本当に、縁がない」との今年の谷津の恨み節が胸に迫る。

 そして、思うように興行が打てない状況の中、7月27日には、ノアとDDTが経営統合を発表。親会社サイバーエージェントの元、飲食事業会社DDTフーズも加え、プロレス事業会社『株式会社CyberFight』として始動していくことに。リング上自体は特に変わらぬものの、「新型コロナ感染拡大によるダメージが大きく、経営統合によって3社分の管理コストを1本化する」という説明に、そのダメージが見てとれた。

 興行だけでなく、選手個人個人にも影響が。WWE行きが決定していたSareeeは日本での待機を余儀なくされた(その後、所属はWWEとして、日本での活動が許容された)。同じくWWE行きを狙って渡米する予定だった黒潮“イケメン”二郎も同様。逆も然りで、今年の全日本プロレスの『世界最強タッグ決定リーグ戦』には、海外勢の参加は無し。スターダムで感染者が発覚し、予定されていた横浜武道館でのプロレスこけら落とし興行が中止になったことも(8月22、23日予定)。

 悲報も。全日本プロレスなどで活躍したジャイアント・キマラさんが8月9日、逝去。コロナによる合併症での心肺停止が死因とされている。

大会実現への、各団体の奮闘。


 この事態に、プロレス界も手をこまねいていたわけではなかった。4月、5月と、興行が本格的に中止になる直前の3月24日、スターダムの後楽園ホール大会では、スタッフ、来場者への検温、消毒はもちろん、換気のため、大型扇風機4台を設置。有観客興行再開の6月21日、新木場1stRING大会では、来場者を100人、それも、ファンクラブ会員に限定。理由は、「チケット購入者の所在が分かるので、万が一、感染者が出た場合に感染経路を把握しやすい」(関係者)だった。因みに、同大会のチケットは1分で完売したとか。

 新日本プロレスは、2月26日の沖縄大会を最後に、続く53大会を中止。無観客試合の中継を経て、7月11日の大阪城ホール大会から有観客興行を再開したが、消毒、検温、住所明記(※チケットのもぎり分の裏に観客自身が記入)の徹底はもちろん、3,000人以上の入場者を検温するために、団体で1台約60万円の顔認証サーモグラフィーを2台購入。さらにレンタルしたものも合わせて8台態勢で対応した。なお、同団体の選手の移動については、通常、東京-大阪間であれば新幹線を使うのだが、今回は選手バスを使用。感染防止の配慮だったことは言うまでもない。

 興行形式において、個性的なアプローチをしたのが信州プロレス。8月15日に、大会場『エムウエーブ』(長野市オリンピック記念アリーナ)にて、ドライブイン方式のもと、試合を披露。チケットは車1台2,000円で、ライブや盆通りもおこなわれたイベントの一環ではあったが、その中心となり、好評を博した。

リングにとどまらぬ、選手たちの活躍。


 実際、大会数は減った今年のプロレス界だが、そんな中での選手たちの精励ぶりにも目を向けたい。センダイガールズプロレスリングは、4月、5月と、興行が軒並み中止や延期となる中、スポンサーの農機具販売会社『五十嵐商会』のツテを頼り、農作業に従事。もともと2018年より稲作に取り組んでおり、「その経験はもとより、スタミナも役立てれた」とは、代表の里村明衣子の言葉である。

 同じ東北では、みちのくプロレスが、盛岡市の宅配弁当店『八栄堂』を通じ、若手4人が宅配に挑戦。その名も『みちのくエイトイーツ』。試合のない時を、こちらの仕事にあて、まさに地域密着ぶりを示した。利用者向け規約には、『(宅配する)選手の指定は出来ません』とあったが、もし出来てたら、それはそれで反応を見てみたかった気が。

 ZERO1は5月7日より、レンタカー会社『伸港』の協力の元、高齢者の移動や買い物を助けるボランティアを開始。プロレスを通じた社会貢献においては一家言ある同団体ならではだが、実はレンタカー会社の方もコロナ禍で利用が急減しており、一石二鳥だったようだ。

 選手個々人としての寄与も見逃せない。オカダ・カズチカは、コロナ災害対策支援金として500万円を寄付(5月)。サッカーの本田圭佑が主宰する音声配信サービス『Now Voice』にも参加。自らの声で、聴取者にエールを送っている。初代タイガーマスクはその後援会を通じ、マスク1万枚を寄付。棚橋弘至は、卒業式が中止となった母校・立命館大学の依頼のもと、特別メッセージ動画を大学HPに寄せ、真壁刀義は、同じく動画メッセージを故郷・相模原市のHPの要望に応え、提供。他に巨人軍・原辰徳監督なども同メッセージを寄せたが、巣ごもり状態を気遣い、「一畳分あれば出来ます」と、内容がトレーニング動画になっていたところが、真壁らしかった。他にも、Twitterで一躍時の人となった長州力が10月、ドリフターズの早口言葉や、工藤静香の振り付けなどを動画サービスで投稿。どう考えてもそんなキャラじゃないのだが、締めくくりには、以下の文言を投稿していた。

「笑ってもらえましたか!どうか大笑いして下さい!いま一番大事な事だと思います!そしてコロナが終わることを信じて頑張って下さい!」

 まだまだ先の見えぬ世情ではあるが、元気と勇気を与えられるのも、スターとしてのプロレスラーの本懐。希望を信じて乗り切って行きたい。

※2021年1月2日午後3時より、BSフジにて、監修を務めましたTVドキュメンタリー『反骨のプロレス魂~人生最高のムーンサルト』が放映されます(※武藤敬司選手出演)。ご興味のある方は、宜しくお願い申し上げます。

この記事を書いたライター: 瑞 佐富郎

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    (2020/12/31 15:14)
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