2020/1/6 10:41

乱入に礼状を要求したアノ帝王!乱入・みのるの優しいマイク!KENTAが横暴!メインぶち壊し乱入考

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乱入に礼状を要求したアノ帝王!乱入・みのるの優しいマイク!KENTAが横暴!メインぶち壊し乱入考
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ハッピーエンドのメインのはずが……


 あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。

 のっけから内幕話で恐縮だが、オリンピックイヤーの今年、筆者がお手伝いしているテレビ業界的には、早くも悲鳴が上がっているようだ。なんと、(1964年の)過去の東京オリンピックの他局映像を使う場合は、「1秒につき30万円以上」かかるとか……。こういった映像使用料に関しては、10年ほど前は、非常に緩かったのだが、過去の映像を使用するテレビ番組が増えるにしたがってこちらも高騰。1回目の東京五輪のそれなど、まさに金の成る木となったようである。

 こういった事情も遠因となり、手前味噌ながら筆者が監修させて頂いている「反骨のプロレス」というTVシリーズ(BSフジ)も、出来るだけ専門誌の写真を中心とした構成になっているのだが、その際、改めて、痛感する出来事があった。「往時(※前世紀)の全日本プロレスは、試合以外のドラマは、リング上で展開しない」。なので、会見等での挑戦表明や引退宣言なども、写真に残ってない場合が多いのだ(※もちろんスタン・ハンセンの移籍&乱入劇という特例はあるとしても)。そこへ来ると、新日本プロレスはくみしやすい。「スキャンダルやハプニングも含め、プロレスだ」という考え方が昭和時代から、時期により程度の差はあれ、通底。なので、試合以外の一幕もリングの上でなされる場合が多い。ひいては、観客に伝わり、写真にも残るものとなるのである。

 だが、1月5日の東京ドーム大会のメイン後、信じられぬ事態が勃発した。カードはオカダvs内藤のIWGP、及び、同インターコンチ王座のダブルタイトルマッチ。2年前の同所の同カードで負けている内藤が勝利し、その過去に果たせなかった、「(ロス・インゴベルナブレス・)デ・ハポン!」の合唱を、観衆と共におこなおうとしたまさにその時だ。なんとKENTAが乱入!内藤を襲撃し、内藤の2年越しの夢は未遂に終わったのだ。観客は大ブーイングに「帰れ」コール。試合自体が名勝負、また、内藤、オカダの両者が前日の1月4日にジェイ・ホワイト、飯伏幸太を死闘の末下し、その勝者同士でこのメインに行きついたという心打つ背景もあり、最後の最後での横ヤリに憤懣やるかたない様子であった。
今回の当欄は、このインパクトを鑑み、「メインぶち壊し乱入考」としてお送りしたい。

近年は、ジェイ・ホワイトに目立つ乱入劇


 昭和の時代には、それこそ観客の暴動にまで至った乱入劇もあった。代表的な2例として、猪木vsハルク・ホーガンに長州が乱入(1984年6月14日)、猪木vsマサ斎藤に謎の海賊男が乱入(1987年3月26日)があるのだが、どちらも暴徒と化したファンに会場(それぞれ蔵前国技館、大阪城ホール)破壊されるという事件に。しかも大阪城ホールの方ではファンによる放火騒ぎも。まだ少年だった筆者は、翌日の東京スポーツの一面の大見出し、『燃えた!大阪城!』を見た時、さぞかし名勝負の類がおこなわれたのだろうと思ったのだが……。

 平成に突入すると、ここまではないにせよ、近年でも暴動寸前になる危難がないわけではない。例えば、NOAHの後楽園ホール大会における力皇&モハメド・ヨネvsビッグ村上&臼田勝美では、殴る蹴るに終始しての6分20秒、無効試合裁定に、ファンの怒りが爆発。しかも直後に、その両チームが後日、GHCタッグ王座を賭けて戦うことがマイクで発表され、観客の怒りには沸点に。杉浦貴のリング上からの謝罪でことなきを得たが、「金返せ!」コールも起こるかまびすしい空間となっていた(2010年3月20日)。

 新日本では一昨年、オカダに勝利した棚橋をジェイ・ホワイトが急襲し、しかも外道と結託するという意外な局面に大ブーイングが(9月23日・神戸)。この際、助太刀に駆け付けたYOSHI-HASHIがリング手前で転倒し負傷するというハプニングも、観客をどうにも戸惑わせた(※結局YOSHI-HASHIは長期欠場に)。そして、昨年はオカダに負けたクリス・ジェリコが大暴走。これを止めようとした棚橋との因縁は予感させたが、試合後、痛めつけられたオカダの締めのマイクがなかったことで、何とも不穏な空気感に(6月9日・大阪)。乱入や決着後の動きは、次への展開を選手たちが見せる必要悪。とはいえ、書くまでもないことだが、消化不良であったり、釈然としない終わり方であれば、それは逆効果ということだろう。

 因みに、2006年12月10日、三沢光晴が丸藤正道を大死闘の末、下し、GHCヘビー級王座を奪取した本当に直後、森嶋猛がリングに現れ、挑戦を表明したことがあったのだが、勝利者インタビューでこれについて聞かれた三沢は一言、「来るのが5分、早いよね」(観客は爆笑)。“まだ、勝負が決まった直後なんだから、もう少し考えろ“という三沢の叱咤だったろうが、実際、そういった空気が読めるか否かも、乱入の成否を左右するということだろう。

期待感に直結すれば好感触も。


 では、成功した乱入というものはどういったものがあるのだろうか?

 思い出されるのは2003年5月2日、ゼロワンにて、橋本真也&小川直也が、当時の全日本プロレスの武藤敬司&小島聡を下した直後。黒Tシャツに黒ジャージ姿の男が現れ、小川、橋本を相手に大立ち回り。川田利明だった。マイクを持って曰く、「橋本!お前が誰に勝とうが、誰を潰そうが、俺を倒すまでは、全日本は潰せないぞ!」川田も入れての決着戦への胸の期待を、大いに高鳴らせたのだった(2ヶ月後に、橋本&小川vs武藤&川田で実現。川田が惜敗)

 2002年4月5日には、安田忠夫を下しIWGPヘビー級王座を戴冠したばかりの永田裕志を、“帝王”高山善廣が急襲。しかも、エベレスト・ジャーマンまで見舞う破天荒ぶりだったが、ブーイングは聞かれず。総合格闘技との両輪で躍動していた時の人だけに、どこかしら歓迎ムードも。実際、高山もそれを肌で感じたのか、「新日本は、乱入してやったことへの御礼状をよこせ」と大口。これに、「4月16日の後楽園ホール大会の最前列チケットを宅配便でお送り致しましたので、勇気があるならぜひいらして下さい」と返した田中秀和リングアナもなかなかのものだった。それに乗らず、来場しなかったのも高山らしいが、いずれにせよ、次への期待感と直結すればするほど、乱入も成功しがちであると言えるかも知れない(※高山は同年5月2日にIWGP王座に挑戦も、永田に敗退)。

 他、変わった乱入劇として、2012年8月22日のK-DOJO、新宿フェイス大会での一場面を挙げておきたい。この日、TAKAみちのくとタイチが、“負けたら鈴木軍追放マッチ”として激突。ところが、試合途中に、「お前ら、何やってんの?」とボスの鈴木みのる自体が乱入。マイクを持って語るに、「お前もお前も、俺には欠けたら困るんだよ。お前らが誘ってくれたから、鈴木軍が始まったんだろう?」結局、祝福の大歓声の中、結果は“預かり”となり、何ともHAPPYなムードに包まれたのだった。そういえば1月5日の東京ドーム大会では、ジョン・モスクリーの勝利後、それこそ鈴木みのるが乱入していたが、こちらも同じく、大歓声に包まれていた。

臨機応変さ見せたKUSHIDA


「ああいう乱入は、もう古いよ」棚橋弘至の言葉である。2012年8月、『G1 CLIMAX』の優勝戦の会場に柴田勝頼が登場。桜庭和志とともに、「(新日本に)喧嘩売りに来ました」とマイクでアジテーションした時の反応だ。ブシロード体制になってから、新日本は、特にこういった側面での旧態依然からの脱却を打ち出して来た、最近で言えば、スターダムへのジュリアの唐突な移籍問題について、(ブシロード)木谷高明オーナーが、「やっぱり昭和っぽさが残っている。どこかで契約してる人を新たに契約などできるはずがないんですよ、二重契約になっちゃうじゃないですか?時代は平成すら終わってるんです、昭和のやり方はだめです」と苦言を呈した例が知られるところだ。

 繰り返しになるし、至極月並みな意見ではあるが、乱入はリングにおける必要悪ではあるし、結果的に良く言えば予告となる一面があるにせよ。それも時と場合によるのではないか?

 昨年1月29日、こんなことがあった。WWE行きが決定しているKUSHIDAが棚橋と送別マッチを戦い、惜敗。爽やかに互いに健闘を讃え合っているところにジェイ・ホワイトが乱入。ムードを破壊した。ホワイトは翌月に棚橋のIWGPヘビー級王座に挑戦することが決まっていたのだ。ホワイトの自己アピールは、ある意味頷ける。

 だが、KUSHIDAはこれにめげず、ホワイトの乱入が終わってからマイクを持つと、「棚橋さん、最後の最後までプロレスラーとして最高にカッコイイ背中、勉強させていただきました」と感謝。「この8年間の出来事、新日本のレスラーとの戦い、いろんな風景、今日のお客さん、未来永劫、絶対忘れません。これを最高のお守りとして、旅してきます。行ってきます」と、観客にもしっかり御礼を言ったのだった。逆に言えば、このKUSHIDAの機転がなければ、ファンのフラストレーションはたまったことだろう。こんな臨機応変さなら、幾らあってもいいとは思う。

 凡庸な視座にはなるが、ファンあってのプロレス界。気持ち良く帰路につける大団円を願ってやまない。

この記事を書いたライター: 瑞 佐富郎

コメント

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  • 何故KENTAが?という意見がTwitter上で沢山あったけど
    KENTAだから良いのよ
    理由は分からないけど

    ID:14629426 [通報]
    (2020/1/8 23:09)
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  • 現地で見てたけど、ブーイングはすごかった。
    KENTAにはとことんまでやって欲しいなあ

    ID:14643597 [通報]
    (2020/1/9 23:55)
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  • ヒール役ならNOAH在籍時に、NO Mercyというユニットで散々やったでしょうから、お手の物でしょう。

    ID:9657985 [通報]
    (2020/1/15 11:18)
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