2019/7/21 12:33

あの女子レスラーも保持!トランプ大統領も参戦?祝・中邑戴冠!WWEインターコンチネンタル王座大解剖!

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フィン・ベイラー(元プリンス・デヴィット)から奪取!


『G1 CLIMAX』が盛り上がる新日本プロレス。初出場の大物を含め、優勝者の予想も例年以上に困難になっているが、その先に見据えられるのが来年1月4、5日の東京ドーム2連戦であることは言うまでもないだろう。

 ところで今年の1月4日の東京ドーム大会で、この2連戦が発表された時、筆者の周囲のプロレス好き(専門マスコミ含む)の間では、さまざまなカードや隠し玉の予想がなされた。とはいえ、言っても、まだ一年先。ただの妄想と言えばそれまでだが、その中でケタ違いに多かった予測が、以下であった。

『中邑の新日本復帰』

 あまりにこれを言う方が多かったので、既成のマスコミが先んじて煽ったのかと思うほどであった(余談だが、この時、当の筆者は『ライガー引退』を言い立て、偶然とは言え結果的に当たったのだが、当時は周囲の誰も耳を貸してはくれなかった(苦笑))。もちろん中邑への潜在的な願望や人気がこの意見を出させたのは言うまでもない。

 だが、どうやらここに来てこの願いの実現は、困難を極めそうだ。日本時間の7月15日、フィラデルフィアで行われた大会で、WWEインターコンチネンタル王座を初奪取したのだ。実はWWEの現行王座の中でも、今年で40年目を迎える、歴史かつ由緒あるベルトで、しかるに、この王座についている以上、やはりWWEの主力としての活躍が期待され、また責務となろう。逆にみれば、日本マット復帰は遠くなったと言える。

 早くも、「日本(のIWGPインターコンチネンタル王座)に続き、2本目のインターコンチ王座奪取!」なんて報道もなされている今回の中邑だが、WWEにおける、同王座とはどういった位置づけ、並びに、意味合いのものなのか。これによって、今後の中邑の動静も変わってくるはずだ。

 今回はこの、WWEインターコンチネンタル王座を大解剖したい。

今年で40周年!


 先にも触れたが、今年で40年の歴史を誇る同王座。もちろん、団体名はWWFだった過去もあり、今回の表記はWWEで統一させていただくが、発端は、1979年9月にブラジルでおこなわれたとされる王座決定トーナメントで、パット・パターソンが優勝したことであった。ゆえにこのパターソンが初代王者なのだが、このトーナメント自体は実際にはおこなわれておらず、どうやら「インターコンチネンタル(大陸間)」という名称に箔をつけたいがための誇張だった模様。因みにIWGPインターコンチネンタル王座は、やはりその名称を意識してか、2011年5月、アメリカでの3連戦で王座決定戦がおこなわれている(むしろ、同地での大会が決定したことから、タイトル設立に至った感もあるが)。

 その創設理由だが、当時のWWEは、絶対的エースとされたブルーノ・サンマルチノ政権が終了。WWE世界ヘビー級王者には若干30歳のボブ・バックランドが就いていた。この1大エース体制に、若干の不安があったため、新ベルトを増設。つまり、今後の2大エース体制を見越した狙いだったとされる。事実、3代目及び5代目王者のペドロ・モラレスは、元WWE世界ヘビー級王者。その他、歴代王者には、ブレット・ハート、ショーン・マイケルズ、トリプルH、ザ・ロック、ストーンコールド・スティーブ・オースチン、ケン・シャムロック、カート・アングル等、そうそうたる名が並んでいる。だが、位置づけとして、至宝たる世界ヘビー級の下だったのは確かであった。だが、だからこその有用性も否定出来ない。その分、自由度に富み、汎用性高く用いることが出来る王座となったのだ。

日本では蝶野と一騎打ちもしたチャイナ(2002年10月14日・東京ドーム)


 例えば、1999年の10月に、ジェフ・ジャレットを下して王者になったのがチャイナ。日本ではジョーニー・ローラーなるリングネームでも知られた女子レスラーだ。歴代王者の中でも異彩は放っているが、その実力や堂々たる試合ぶりからすれば、奪取も当然といった感じだった。なお、この時期、抗争していたのが、こちらは日本でさらにお馴染みのクリス・ジェリコで、1999年12月28日のリッチモンド大会では、選手権試合がダブル・フォールで決着。レフェリー2人が、片方はジェリコの手を挙げ、もう片方はチャイナの手を挙げる珍事に。なので、一時期、同王座は、ジェリコとチャイナの共同所有という形に。翌年1月、ハードコア・ホーリーを加えた3WAY戦でジェリコが勝利し、ようやく王者の方が一本化されたのだった。

 2007年4月1日の『レッスルマニア23』では、今では世界的に貴重な試合が実現。ビンス・マクマホンと、大富豪、ドナルド・トランプ(現アメリカ大統領)が、カツラ疑惑のあった互いの髪の毛をかけて対戦。とは言っても2人ともレスラーではないため、それぞれ代理の選手を立てることに。ビンスはウマガを指名。「ウマガは(中略)ジェフ・ハーディーを破ってインターコンチネンタル王座を獲得。その勢いに目をつけた」(日刊スポーツ・2007年2月21日付)対してトランプ氏はECW世界ヘビー級王座ボビー・ラシュリーを立てた。同一戦は『バトル・オブ・ザ・ビリオネアーズ(億万長者マッチ)』と銘打たれ、それこそ世界的な注目を浴びたが、2人の王者が対峙しながらも、結局はノンタイトル戦に。肩書きのみ利用されたインターコンチ王座だったが、これもWWEらしさか。世紀の一戦に箔はつけた形となった。因みにこの日、世界ヘビー級選手権はしっかり行われており、こちらはアンダーテイカーがバティスタを破り、新王者となっている。

 2008年8月17日のインディアナポリス大会では、インターコンチネンタル王者とWWE女子王者がそれぞれタイトルを賭けタッグを結成。挑戦者組と対戦した(コフィ・キングストン&ミッキー・ジェームスvsサンティノ・マレラ&ベス・フェニックス)。『ウィナー・テイク・オール(勝者総獲り)・マッチ』とされた同試合は、どのような形であれ、勝ったチームの男子と女子にベルトが移動する形。ところが挑戦者チームの男子である、サンティノ・マレラが非力で、トペが飛んで来るとパートナーの女子、フェニックスに抱きついて逃げる始末。結局、マレラはほとんど何もしなかったが、フェニックスが女子王者、ミッキー・ジェームスに勝利し、王座は移動。フェニックスに肩車され、喜ぶマレラの姿があった(普通は逆であって欲しいが)。

 この辺り、IWGPインターコンチネンタル王者時代に、桜庭和志、ダニエル・グレイシーを相手にした中邑が、同ベルトの特質を活かせて行くかにも期待がかかろう。

棚橋とのインターコンチ戦でオカダvs内藤のIWGP戦を凌駕


 さて、日本のファンにとって気になるのは、ズバリ、今回の戴冠が、本丸のWWE世界ヘビー級王座への切符になるかということではないだろうか?

 実は両王座の統一戦はごく僅か。1990年の『レッスルマニア6』で、インターコンチ王者アルティメット・ウォリアーが世界王者ハルク・ホーガンを下したのと、2002年10月、元はWCW王座だったベルトをRAWの世界王座として復活させ、王者のトリプルHがインターコンチ王者ケインに勝利した例が目立つくらい。前者はウォリアーがインターコンチ王座のみ返上し、後者に至っては、なんとインターコンチ王座の方は一時封印されてしまった。つまり、インターコンチ王者である以上は、世界王座挑戦の機運がめぐって来ないことも、おそらく確かだろう。『これを保持してる間は横綱(※世界王座)への昇進はほぼあり得ないと言っていいくらい』(廣済堂出版『新アメリカンプロレス大事典』より)。

 だが、同王座が人気がないわけでは決してなく、実際、前述のように一度は封印されながら、ファンの声もあり、翌年5月に復活している。しかも、世界王座を押しのけてメインで防衛戦がおこなわれたことも少なくない(1992年、「サマースラム」でのブレット・ハートvsデイビーボーイ・スミス、2002年7月19日、エッジvsランディ・オートン等)。この辺はまさに、2014年、オカダvs内藤のIWGPヘビー級王座をおしのけ、実質的なメインをインターコンチ戦で戦った中邑を彷彿とさせよう(vs棚橋)。

 両王座についた選手は今まで17人おり、もちろん先述にも名がある超一流選手ばかり。同王座を用いて更なる注目を集めれば、まさにそれが世界王座への通行手形ともなろう。以前、インタビューさせて頂いた時、中邑はこう言っていた。

「出番がメインでも第1試合でも関係なく、僕は会場を自分の色で染め上げることには、自信を持ってますよ」

 新たな中邑パワーで世界を変えられるか。今後の健闘にさらに期待したい。

この記事を書いたライター: 瑞 佐富郎

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