2019/7/6 15:21

平成にもあった街頭テレビプロレス!時差ボケが飯伏を強くする!? いよいよG1開幕!街頭テレビ&飯伏vsKENTA特集!

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平成にもあった街頭テレビプロレス!時差ボケが飯伏を強くする!? いよいよG1開幕!街頭テレビ&飯伏vsKENTA特集!
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日本では14時間、遅く開幕するG1!


 遂に7月6日、おっと、そうではなくて、7月7日、注目の大会が開幕する。ご存知、『G1 CLIMAX 29』。開幕カードではAブロックの公式戦を中心に、オカダvs棚橋、そして、今大会の最注目選手であるKENTAが、ファンの間では優勝候補という声も根強い飯伏と激突という2大マッチが実現。特に見逃せない大会となっている。だが、さらに注目なのはその場所。アメリカはダラスの、アメリカン・エアラインズ・センターでの開催となるのだ。現地の開催時間を見れば、7月6日(土)の17時から。ということは、そう、時差があるため、日本では14時間差のスタートとなる。冒頭宜しく、日本では7月7日、午前7時からの開始となるのだ。

 まさにワールドワイドなスケールでの開幕戦となるが、今回、こちらに、さらに新たかつビッグな趣向が加わった。7月7日(日)の午前8時半より、東京は六本木の交差点にある街頭ビジョンで、このG1の開幕戦が生中継されるのだ。まさに令和に来ての、街頭テレビによるプロレス中継の復活!上映画面となる大型ビジョンを有す誠志堂ビル近辺には、当日、プロレスファンが大挙して押し寄せるのではないだろうか?無論、普段でも人通りは多い場所柄。外国人の往来も多く、まさにダラス決戦を中継するには打ってつけの場所なのである。

 今回の当欄は、当日の盛り上がりに先んじ、『街頭テレビとプロレス』、並びに、『飯伏vsKENTA』について、その前史をダブルで特集したい。

渋谷の大型ビジョンでも、プロレスを生中継!


 現在でも昭和史を語る上で欠かせない『街頭テレビとプロレス』。発端は1954年2月19~21日の、日本プロレスの旗揚げ戦、蔵前国技館3連戦を、日本テレビが中継したことであった。実は2月19日の初日についてはNHKも放映したのだが、そもそも街頭テレビを設置したのは、そもそも日本テレビであり、その数、人の集まるところを中心に、全国53カ所、計220台。これは当時の14型テレビが、サラリーマン初任給の約22倍の値段がする贅沢品だったため、市井の人々ではなかなか入手出来ないという背景を見越したものであった。因みに、この街頭テレビ、見易いように高所に設置されていたのはもちろんだが、基本は箱に入っており、放送時間になると業者が開けに来るという手法を取っていた。

こちらで放送されたプロレス人気のフィーバーぶりは、それこそ昭和史を振り返る映像で知られるところだろう。新橋駅の街頭テレビに群がる人、人、人……。その数、数千人を超えたという。また、余りにも人が詰めかけすぎ、近隣の線路や踏切にはみ出すことも多く、この場合は放送を通じて、その場所と、「線路内に立ち入らないように」、注意を喚起したそう(※当時のテレビは、ドラマも含め、基本は生放送)。以前お仕事をご一緒した、当時の日本プロレスの実況アナウンサーかつ、全日本女子プロレスの実況でも有名な、志生野温夫さんが語ってくれた。

 因みに、1954年2月19日からの3連戦でスタートした日本プロレスだったが、初日である19日は会場である蔵前国技館に、半分も客はいなかったそう。つまり、国内で本格的な最初のプロレスは不入りだったのである。『プロレス』と言っても、ほとんどの人にとっては初めて聞く用語だったろうし、やむをえないところだが、それが2日目、3日目は鈴なりの超満員に。まさに街頭テレビの力が功を奏したと言えるだろう。

 ところで、今回の新日本は、“令和初の街頭テレビプロレス”となるが、平成の時代もこちらがあったの、ご存知ですか。それは2000年4月7日、東京ドームにおける橋本真也vs小川直也戦。渋谷の駅前ビル『Q-FRONT』の大型ビジョンで、当日の夜9時過ぎより生中継。この際の企画書タイトルも、『平成の街頭TV』であった。

 なお、2006年2月16日には、東京・汐留の日本テレビ前で、約40インチの街頭テレビにより、力道山vsザ・デストロイヤーが放映。こちらは韓国映画『力道山』に因んだイベントで、やはり『力道山=街頭テレビ』という記憶の強さならではと言った感じである。

飯伏にも見舞われた、『ブサイクへの膝蹴り』


 さて、その“令和初の街頭テレビプロレス”の注目カードとなる飯伏vsKENTAだが、無論、初の一騎打ち。だが、タッグでは何度か当たっており、また、コンビとして同じコーナーに立つことも。それそれの試合で、飯伏の成長が垣間見えるのが特徴だ。

 初の遭遇は、多団体によるジュニア・タッグトーナメント『第2回ディファカップ』(2005年5月)でのこと。トーナメント1回戦で、カードは丸藤&KENTAvsKUDO&飯伏であった。当時、互いが所属していたNOAHとDDTの対抗戦ともなったわけだが、飯伏はこの時、デビュー10ヶ月目。しかし、今に通じる目を見張る空中殺法の数々に、客席後方で観ていた他団体の関係者たちがどよめいていたのが懐かしい。とはいえ、この試合の飯伏のコメントは以下。「技以外で、気持ちで負けてました。KENTA選手は一発一発が重くて……。技じゃなく気持ちのダメージが伝わって来るんです。客が(自分の空中殺法で)沸いてても、自分の中では、これじゃあダメだと思ってました」試合も飯伏がKENTAに敗れる形で、しかも、ダブルインパクト式のブサイクへの膝蹴りから、成長のブサイクへの膝蹴りの2連発でのフィニッシュだった。同技は、相手の顔によって名前が変わる時があり、例えば2002年12月5日に鈴木鼓太郎からピンを取ったときは『鈴木鼓太郎への膝蹴り』であった。飯伏もブサイク呼ばわりから外されても良さそうなものだが、この時は先述のように、僅かデビュー10ヶ月。それを考えさせる位置にすら、まだ達してなかったとみるのが妥当かも知れない。因みに、丸藤はこの試合後、飯伏の手を挙げて称えたが、「自分をアピールする気持ちは凄く好きだけど、それだけじゃいけないと思う」と、先輩らしい、やや厳しい言葉を飯伏にコメントで贈っている。

 2度目の遭遇は2007年の7月15日(日本武道館)。飯伏自身が丸藤のパートナーに名乗りを挙げて乗り込んだ『日テレ杯争奪ジュニアヘビー級タッグリーグ戦』の公式戦で、KENTA&石森太二と激突した。最終的にはニールキックをKENTAに受け止められ、そこからgo 2 sleepに繋がれ、飯伏はフォール負け。だが、同試合は飯伏自身が「僕のタッグのベストバウト」とそこかしこで自選しており、満足度は極めて高かったようだ。「僕はプロレスのレベルとしては、ここ(NOAH)が一番高いと思ってる」というコメントも残る。

 翌年8月30日には、同ジュニアタッグリーグ戦の公式戦として、飯伏&中嶋勝彦vsKENTA&石森で激突。この試合では、前回の試合のフィニッシュと同じく、キックを受け止めてKENTAがgo 2 sleepに入ろうとしたところを、飯伏が前方回転で丸め込み防御。滅多に戦わない相手にも関わらず、対策をしっかり立てて来ていたことに、飯伏の前回の敗戦の悔しさと、KENTAへの意識の強さを観た(※試合は中嶋が石森にフォール勝ち)。

 そしてこの半月後の9月14日には、ROHの日本興行で、初タッグを結成。丸藤&中嶋組と対戦した。試合名も『ドリームタッグマッチ』と銘打たれたこの試合は、30分時間切れの後、まさにROHの大会での日本人のみ対決らしく、客席から、「ニッポン、チャチャチャ」と「延長」のコールが。これにより5分延長も、結局はタイムアップ。客席からは今度は「ありがとう」コールが飛んだ。注目点としては、飯伏が、丸藤や中嶋と組んだ時よりも、蹴りを多用していたことだろう。KENTA自身と対する時より、組んだ時にそれを見せていることに、そこはかとない信頼と、同時にライバル意識も見て取れるような気がした。

 2009年7月12日には、これまた同ジュニアタッグリーグ戦の公式戦として、KENTA&石森vs青木篤志&飯伏で対戦。青木が躍動し、KENTAを腕ひしぎ逆十字で破る金星を達成。本筋と外れるが、青木の手を挙げるパートナー、飯伏の笑顔が印象的だった。

時差ボケが最大の敵!?


 以上、タッグ対決では2勝2敗となっている両者。特に参考になるものではないが、シングル対決となると、どこまで飯伏が蹴りにこだわり、また、空中殺法を見せるかによるのではないか?KENTAにとってもアメリカは戦い抜いて来た場所だが、その際見せていた、ややアメリカンスタイルにシフトされたスタンスを貫くかも注目だ。その場合、ひたすら熱い試合がしたいとおもっている飯伏の心境を、逆撫でする可能性もあるからだ。飯伏が極めてナチュラルに戦うタイプだということをKENTAがどこまで理解しているかもポイントとなるだろう。

 そして、実は気になるのが時差。2007年の日本武道館の試合では、飯伏は同会場の場所を知らず、あたふた。ROHの日本大会では前日にDDTのオールナイト興行があり、「一睡でもしたら起きられないと思い」(飯伏)、徹夜のままKENTAとのタッグに臨んでいる。自己管理とか、用意周到という言葉とは、今イチ無縁に思える飯伏だけに、時差ボケのままリングに上がる可能性も……。とはいえ、だからと言って動きが落ちず、むしろハイになる印象も飯伏にはあるだけに恐いのだが。

 日本では早朝の決戦になる開幕戦。目の覚めるようなファイトに酔いしれたい。

この記事を書いたライター: 瑞 佐富郎

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