2019/3/8 10:07
獣神サンダー・ライガーがどれだけスゴいのか【多重ロマンチック的ぼくらのプロレス】
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■ジュニアヘビー級でもヘビー級と戦えることを教えてくれた。
ジュニアヘビー級体型の選手がヘビー級選手と闘う。無差別級が当たり前のような今ではよくみられる光景ですが、少なからず80年代はあり得なかったことだった。体格は絶対。デカいもんが強い。でも身長は生まれつきでどうしようもできないじゃない。
この価値観を変えたのは獣神サンダー・ライガー選手だ。山本小鉄さんに“身長が低いのはどうしようもない”。“上に伸ばせないなら、体をもっとデっかくしろ”。と言われたライガー青年はヘビー級に劣らぬ胸板と、骨法など他流格闘技をどん欲に吸収。
1994年2月24日にへビーとジュニア王者・夢の対決! と組まれた橋本真也戦では、通称バトルライガーと呼ばれる上半身裸らのコスチュームで登場。惜しくも敗れるもほぼ互角のせめぎあいで、階級と強さは比例しないことを証明した。
2000年にはジュニアヘビー級として初めてG1クライマックスに出場(高岩竜一選手も同大会に出場)。以後、3回出場している。
あなたも見た目や区分で諦めていないだろうか。ジュニアヘビー級でもヘビー級と戦えることを教えてくれた。ライガー選手はだからスゴい。
■インディペンデントでもいい選手はいい! を知らしめた。
新日本プロレスを見渡せばTAKAみちのく、KUSHIDA、本間朋晃、飯伏幸太。今では当たり前になったインディペンデント出身の選手たち。それでもいまだにファンの中にもあるんじゃないだろうか、新日本と他は違う! なんてプライド高めなおごりのようなニュアンスが。
ライガー選手は90年代にそんな足掻ぎながらもなかなか日の当たらない選手たちを拾い上げスーパーJカップを開催。ザ・グレート・サスケ、ハヤブサ、外道らにスポットを当て、その後の活躍はごらんのとおり。今ではメジャー団体にインディー出身者がいるのも当たり前の風景となっているし、受け入れるだけでなく、ライガー選手自身も積極的にローカル団体に参戦した。
自身も本来なら新日本プロレスに入れない身長を山本小鉄さんに拾い上げてもらってデビューした身。どこの出だろうが、いいもんはいい! を教えてくれた。闘龍門メキシコで奮闘しながらも、恵まれなかったオカダ・カズチカ選手を新日本に招き入れたのもライガー選手だ。
あなたも学歴や所属先、先入観だけで評価していないだろうか。インディペンデントでもいい選手はいい! を知らしめた。ライガー選手はだからスゴい。
■長期遠征はほぼゼロでも世界的な知名度。
ライガー選手はライガーになってから、スポット参戦で海外に行くことはあるけれど、何か月や何年という単位での長期遠征は一切ない。それでも地球規模で放送されているWWEのレスラー並み、いやそれ以上に知られている。
日本に置き換えてみよう。新日本に長らく参戦していたスコット・ノートンに歓声が沸く。わかる。ジャイアント・バーナードに歓声が沸く。わかる。アブドーラ・ザ・ブッチャーに歓声が沸く。わかる。テレビで見ているザ・ロック様に歓声が沸く。まだわかる。では何度か来日しているダニエル・ピューダーに大歓声が沸くだろうか。それはちょっとわからない。
「入場曲が鳴るだけで歓声が沸く。しかもライガーさんのすごいのはメキシコでも、アメリカでも、イギリスでも、3か国全部ちゃんと認知されてるレスラーはなかなかいないんですよ」(2019年2月17日放送、ラジオ日本「真夜中のハーリー&レイス」 vs KUSHIDA編)
どれだけ海賊ウォッチされてるんだ90年代新日本という話でもありますが、とにかくものスゴいライガー人気。あなたもダニエル・ピューダーを侮っていないだろうか。実は世界的なマグマ、WJファンには高い知名度。タッグパートナーに選んだ中邑真輔選手はだからスゴい。ン?
■普段は無邪気で身近な愛されおじさん
前述のKUSHIDA選手はこう続ける。「かつ、道場での騒ぎっぷり。エンジョイっぷり。巡業での満喫感。これやっぱライガーさんを超えるなんて不可能だなと思いつつ、エンジョイ。この人くらいプロレスをエンジョイしたいって思ったんですよね」(同上)
リングでエンジョイ。そんなハートは異種格闘技戦でも総合格闘技でもルール分け隔てなく気概で受け止め、空手家・青柳政司戦(1990年)。パンクラスでの鈴木みのる戦(2002年)を「よし、俺がやろう!」とアツくさせた。
そんなエンジョイハートはリングだけにとどまらない。『獣神サンダー・ライガー自伝』では息子さんがこう語る。
「ライガーが急に先回りして、僕たちを驚かせようと物陰に隠れたんですね。でも、僕らのことを他人のおじいちゃんが抜かしていったら、間違えてライガーがその人を「ワアッ!!」って驚かせちゃって、「ああ!すいません!!」って必死に謝ってました(笑)」(イーストプレス刊「獣神サンダー・ライガー自伝(下)」2017年10月25日発売)
内容もさることながら、息子さんが父親のことをライガーとリングネーム呼び捨てしてることに驚き、笑った。普段は無邪気で身近な愛されおじさん。ライガー選手はだからスゴい。
ほかにも趣味がたくさんあること、覆面破ったら白いのが出てくるとこ、突然猫になったこと。鈴木みのる選手に敗れ、柔術道場に通いだしたほどストイックなこと。どれもこれも面白いからやるんだよ、という精神なこと。ライガー選手のスゴいはたくさんある。
ちなみに前述の自伝ではライガー選手が引退したら、という仮定の話題も出ているが、世界の獣神も家庭内では「釣りが好きだから遠洋漁業にでも出てもらおう」と言われてしまっている。仕事と家庭は評価軸が別なんだよね、おとっつぁん。こんなところもライガー選手はやっぱりスゴい。
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他にもいっぱいあるで
・いち早くバラエティにでてて凄い!
ウッチャンナンチャンのやるならやらねばのナンチャンを探せに全身タイツ姿で登場。アキラ100%の真似をして全身裸にマスクとお盆だけのライガー100%を披露。水曜日のダウンタウンではロメロスペシャルを何度も披露。と早くからたくさんバラエティにでてTVからプロレスの知名度アップに貢献していたのだ。
(2019/3/13 12:38)