2018/10/28 12:37

高田延彦登場の裏側には?佐野巧真の現在は?ここでしか読めない!「証言UWF 完全崩壊の真実」、制作裏話&秘話特集!

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高田延彦登場の裏側には?佐野巧真の現在は?ここでしか読めない!「証言UWF 完全崩壊の真実」、制作裏話&秘話特集!
5.0

本来なら、9月末発売の予定だった。


「三沢vs武藤」「ハンセンvsブロディ」、そして、「ジャイアント馬場vsアントニオ猪木」……いずれも、シングルとしては幻に終わったカードである。他にも、このように、幻に終った取り組みにはキリがないのが、プロレスの世界。例えば、2005年10月の新日本プロレスの東京ドーム大会を敢行するにあたり、当時の社長だったサイモン猪木氏が考えていた1つのカードは、「棚橋&中邑vs橋本真也&パートナー(未定)」だったという。同年7月の橋本の急逝により幻となったが、棚橋や中邑が、どう橋本と戦っていたかと思うと、それだけでワクワクしようものだろう。

 さて、プロレス関連書籍やメディアの類でも、かような幻の作品が存在する。有名かつ、もはや伝説化しているのが、「闘魂伝説の完全記録」(パラス)。アントニオ猪木の闘いの歴史を、時系列で集成した書物で、VOL.1~6までの全6冊を敢行予定とし、なぜか、「VOL.6」から遡っての出版となった(ファンが手に取りやすく、直近の歴史から入ろうとしたのだと思われる)。ところがこのシリーズ、版元の経営事情により、なんと(最後の)「VOL.1」が出なかったのである。「シリーズの1冊目が出なかった奇書」として、今もマニア間で語り継がれている。

 他、CDでは、1993年3月発売の「激突・戦国~新日本プロレスVS.WAR」(ビクター)が有名。当時、抗争状態にあった両団体の主力レスラーのテーマ曲を計12曲収録したものだが、一旦は市場に出回ったものの、すぐに販売中止に。新日本側からストップがかかったのだった。新日本関連の音源の発売元は、そもそも違うキングレコードからであり、中止もやむなしといった感じだった。

 さて、私事で恐縮だが、このほど、筆者もかようなトラブルに巻き込まれたのかと思う出来事があった。「9月28日発売」と聞いており、既に同書内に出て来る選手のインタビュー原稿も、7月内には仕上げていた書籍が、その日近くになってもネットの類に出て来ない。そして、その当日になっても、発売されなかったのである。理由を先だって、編集者から聞いた。

「高田延彦さんが、(同書に)緊急で出てくれることになった(ので、発売を延ばした)」

 こと、(PRIDE時代ではなく)自らの出自であるプロレスについて、同氏が語ることは、この10年、ほぼなかった。自著「覚悟の言葉」(ワニブックス)で少々触れているのと、東京スポーツ、及び読売新聞紙上で語った程度のことであろう。それもUWFについて語るというのである。それだけに、エポックな出来事とも言えた。昨年より各文字媒体で続く、「UWFを見つめ直す趨勢」。そこに、最後のピースがはまった感慨があった。

 そこで、今回の当欄は、結局、1ヶ月遅れの10月24日から発売となった同書籍、「証言UWF 完全崩壊の真実」(宝島)を巡る、高田さん登壇を含む裏話、並びに、各選手の、誌面からはカットされた発言や逸話を中心にお届けしてみたい。携わった当人ゆえ、ここでしか読めない!と言うと、手前味噌が過ぎるかもだが、UWFを再考するブームの助勢として、「U」の名の元に理想を追った男たちの内情を改めて知る手立てにして頂ければ幸いだ。

未だに強い、UWFインター間の絆


 そもそも、高田さんに対しては、各プロレス・マスコミも熱心にオファーしており、もちろん、過去2作出ている、「証言UWF」シリーズも同様。だが、首を縦に振ってくれないという事情があった。諦めず、今回のシリーズ3作目についても、所属芸能事務所を通じ、オファーをかけたのだが、なしのつぶて。そこで、内容的には、この夏、「TAKAYAMANIA」の中心人物として躍動した鈴木みのるさんをフィーチャーしようという方向性も一時あった。しかし、そのみのるさんも丁重に同著への登場を固辞。もともとマスコミには礼を尽くして真摯にその理由を説明してくれる方であり、今回は見送りとなった。直接の交渉は筆者ではなかったが、同シリーズの1冊目で、語ることは語ったというご本人の気持ちもあったのかもしれない。

 だが、まさに、その「TAKAYAMANIA」を巡る高山への思いが、高田さん登場を実現させた。8月下旬、高田、安生洋二、鈴木健(元UWFインターナショナル取締役)が高山をお見舞い。この模様は「TAKAYAMANIA」でも流されたが、すると、そこからしばらくして、高田さんの同著登場が実現。先述のように、発売を先延ばししてでもの、インタビュー収録となったのだった。

 ミラクルな登場劇の裏には、鈴木健氏の尽力があった。

未だにガラケーの鈴木健さんだが……


 現在は、東京・用賀で焼き鳥店「市屋苑」を経営する鈴木さん。言うに及ばず、UWFインターナショナル時代に背負った1億円の借金がその屋号の元となっている。だが、その「Uインター愛」は、未だに愚直なまでに深い。例えば、(あくまで筆者個人の体験談になるが)ご本人の取材が終わると、そのまま同店で飲酒を含めた飲食となる。すると、鈴木さんは言い出すのだ。「ああ、佐野(巧真)ちゃん、会いたいな……。会ったことないだろ?いい男なんだよ」「カッキー(垣原)、元気かな?元気そう?そうなんだ。実はさ、リンパ腫が発覚する直前、ここで死ぬほど飲ませたんだよ。それが病気の原因じゃないかと思って(苦笑)」思い出話は尽きない。すると、うち、健さんは携帯を取り出す。そして、各選手に電話をし始めるのである……!

「佐野ちゃ~ん、元気~!今、何してんの?お店、来なよ。もう遅い?じゃ、来週の〇日はどう?」

「宮戸ちゃん?突然、電話してゴメン。俺さぁ、A(あるインディー選手の名前)には今でも勝てると思ってるのよ、どうかなあ?……」(※鈴木さんは、今でも毎日トレーニングをしている)

 全く屈託のない電話魔ぶり(未だにガラケーなのだが)。実は、何度、正規のオファー・ルートを使っても、この手のインタビュー本には出て来てくれなかった宮戸さんや中野龍雄(巽耀)さんが今まで登場してくれたのも、全て鈴木さんの尽力による。ある選手曰く、「鈴木さんは、UWFインター時代やキングダム時代、自分が借金してでも、自分たちを食わせようとしてくれた……」

 高田との厚き親睦も、そんな人柄によるものだろう。なお、鈴木さんは、前田日明ともホットラインがあり、つまり、前田、高田の両者と交流がある人物である。

 数ヶ月前、高田さんからの携帯メールを見せてくれたことがあった。そこには、「高山の様子、どうなの?」と書いてあった。

T選手に、選手引き抜き疑惑!?


 いささか行数を費やしてしまったが、同書には載せられなかった、UWF戦士たちの話に移ろう。

 本書内に詳しく書けなかった話としては、田村潔司選手が、他のUインターの若手をリングスに誘っていたという話もあった。だが、その際、田村が言ったのは、「夜、荷物をまとめて、誰にも知られぬよう、道場を出て来て」つまり、夜逃げである。その若手は、(これまで、さんざんお世話になっているのに、挨拶もせず辞めるのは、絶対に違う!)と、逆に残留の意志を強くしたという。

 佐野巧真さんは、8月に奥様の実家のある京都へ移住。ここ数年の、東京での焼肉店での修行を経て、その京都で、焼肉店をオープンする予定とか。年内開店を目指し、進んでいるようなので、こちらのOPEN報告もぜひ楽しみにしたい。余談だが、この類(店舗の新規OPEN)の話をしていた際、鈴木健さんが、「東京だと、3年後になるだろうから良かったね。東京五輪が終わるまでは、地価は上がり続けるから。逆に言えば、東京五輪が終わった後は、チャンスだよ」と仰っていたのは、(なるほどなぁ)と思わざるをえなかった。

 9月28日に、(ボランティア・レスラーとしての)7度目の復帰を表明した大仁田厚さんも、今回、インタビューさせて頂いた。同書内には反映されてないが、あの、長州戦を巡って、傍らに続けた真鍋由・テレビ朝日アナウンサーのことを、ずっと、「いや~、真鍋“選手”もね~」と言っていたのには内心ウケてしまったが、その取材日程、実は大仁田さんの都合で、一日延びている。聞くと、その前日、知人が膵臓ガンで亡くなり、通夜だったのだという。大仁田さんは、取材の出だしに言った。

「昨日はすいませんでした。膵臓ガンか……。本当に、ガンて、怖いですよね。俺も、やっぱり、やりたいことやって生きた方がいいかな……」

 同インタビュー中にも、リング復帰の意志は明かしており、この知人の死が、その思いに繋がったと見ることも出来るだろう。

 さまざまな人生を内包し、進んで行くプロレスラー、そして、プロレス団体。今後もその内実を追って行きたい。

(追啓:なお、私信めきますが、「証言UWF」シリーズは、今回で最後となります。実は第2弾の時点で終了のはずだったのですが、読者の皆々様方からのご好評により、今回の第3弾に至ったという経緯がありました。多謝の念を禁じえません。ありがとうございました。次の企画は、もう動き出しております。UWFの次は、何で1冊となるのか。宜しければ、予想して楽しんで頂ければ幸いです。ご期待下さい)

この記事を書いたライター: 瑞 佐富郎

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