2018/10/9 11:16
プロレス界にパワハラ問題はある?orない?【多重ロマンチック的ぼくらのプロレス】
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2018年10月7日、AbemaTV・AbemaNewsにおいて新番組『Abema的ニュースショー』がスタートした。MCに千原ジュニア、三谷紬(テレビ朝日アナウンサー)両名を置く情報番組でありながら、コメンテーターに天龍源一郎さん、吉田豪さんを配置。ナレーションにボンバー森尾。何か起きれば大仁田厚に聞きに行き、リポートで顔出しNGが出た際には番組オリジナルの覆面を着用させるなど、コレ内部のディレクターかリサーチャーに思いっきりなプロレス関係者いるだろうという番組作り。
初回であるこの日は特別ゲストに武藤敬司選手を招き、昨今話題のスポーツにおけるパワハラ問題を論じることに。はたしてプロレス界にはパワハラ問題はあるのか。自分たちの若手時代はどうだったのか。
「若手時代(先輩に)言いたいことがあるのに黙っていたことがある」という質問には両者とも大きく○。
武藤「先輩方ってのは俺の場合は長州力さんとか、聞き取れないんすよ。で、三回聞き直したらバコンって殴られたんですよ」
ジュニア「そりゃもう、しゃべりだしたら必死ですね! 滑舌悪いですよ、とは言えないから(笑)」
武藤「そう。まあ、天龍さん前に言うことじゃないけど、俺たちの時代の先輩はみんな滑舌悪いの。藤波(辰巳)さんも悪い、長州力も悪い。星野(勘太郎)さんっていう先輩も、前田(日明)さんも悪い。みんな悪いんだもん」
ジュニア「どうされてたんです?」
武藤「半分ヤマカン(笑)」
また「今思えば自分もパワハラしていたかも」という問いには天龍さんのみ○を挙げる。
天龍「もう、これは自分の中で自覚があるんで」
武藤「オレ一切やったことない。いや、たぶんオレね、プロレス界で一番慕われてるレスラーですよ。
ジュニア「えー(笑)」
吉田豪「確かに、武藤さんから変わったのは間違いないんですよ。自由な感じを持ち込んで、それこそ入門早々に先輩からきついことを言われて、『もうやめます』って言って『お前はやめないでくれ』って止められたくらいに自由だった人なんです」
相撲という上下関係厳しい場所を通過してきた天龍さんと、富士山という壮大なものにあこがれ、その後もアメリカナイズされた気質の武藤選手。同じ業界にいてもこれだけ考えに違いが出るのも面白い。
その後は今の時代において貴重ともいえる厳しい上下関係とスパルタ式の集団行動を重んじる兵庫県飾磨氏鹿間工業高校柔道部が取り上げられると、この反応も両極端。
天龍さんは「俺の時代は当たり前。(実際に手を出すのはよくないけれど)鉄拳制裁をちらつかせるのはアリ」という意見。対して武藤選手は実際に選手をコーチングする立場から「ああいう(一律に上から教える)育て方すると、みんな同じようなレスラーしか作れないような気がする。突拍子もない発想のやつが出てこない。そういうつまらないさはあるんじゃないかな」と、コーチが絶対になることにより、コーチの教えを守るコピーしか生まれないことを危惧。
このあたりは川田利明(全日本)、石井智宏(WAR)、宮本和志(全日本・天龍プロジェクト)と男気や無骨さが前面に出る天龍イズムフォロワーと、バラエティーに富んだ武藤全日本、WRESTLE-1レスラーズとの違いにも表れているのかもしれません。
さて、肝心のプロレス界パワハラ問題、ある? ない?
吉田豪「新日本の師弟関係ってホントに厳しくて。ほかの人に聞くといろいろあるんですけど、武藤さんだけは誰からも出てこないですよね」
武藤「でも(ほかも)暴力事件はないんじゃないですか?」
吉田豪「橋本(真也)さんが多少くらいですかね」
武藤「あー、あいつらのやってることはね。プロレスに関係のない、ただのいじめね。セミが嫌いな奴がいたら、わざと寝床にセミを100匹くらい入れたりさ」
吉田豪「風呂場の中に沈めて、蓋の上に乗っかるとか」
(中略)
吉田豪「(あと)いろんな選手に僕インタビューするんですけど、あの先輩だけは許せないとか、いう人はやっぱりいるんですね」
ジュニア「へー、誰の声が多いですか」
吉田豪「佐々木健介さんですね。健介だけは許さないって人が何人かいました」
カラテカ入江「確かに健介はシャレにならないってコメントが。エー、でもあんなにやさしそうなのに。優しそうなイメージしかないですよ」
吉田豪「だからそれのたびに怒るんですよ、みんな(笑)」
スポーツ界の告発続きは、プロレス界も他人事と思わず緒を締めようという教訓を、番組は僕らに教えてくれたのでした。ありがとうAbema的。いてくれてよかった吉田豪さん。『Abema的ニュースショー』のひねりにひねったプロレス頭、これからも期待しています! ってなにげに“SK”ってブログがアレでアレされたりしてるから、サイバーエージェント案件じゃん!
【関連】<佐々木健介の元弟子が暴力行為を告発 『ほぼ日刊 吉田豪』連載40>
この記事を書いたライター: 漁師JJ
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武藤は基本的に他人に興味ないから(笑)でも自分の技使ったら金絡みの発言する(笑)
蝶野が一番、後輩に対しては柔らかいんじゃないかな
馳は根性論と合理的な論理で育成は上手みたいね
(2018/10/10 1:36)
あと小鉄さんは、鬼軍曹と云われてた訳だし、
藤原組長や前田日明のエピソードを聞いても
練習はもとより、私生活や人としての立ち居振る舞いなど
実際厳しかったんだと思います。
ただ、そこにはその厳しさを上回る大きな愛情が
あってこその厳しさだったのではないでしょうか?
だからこそ、あれだけ慕われたんだと思います。
(2018/10/11 8:35)