2018/5/20 10:18

初登場で国際派ジョーク!ベーゴマにも勝負の妥協なし?! 新日本プロレス新社長、ハロルド・ジョージ・メイ特集!

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23日の株主総会で承認され、6月1日付で就任予定。


 5月13日、プロレス界のみならず、経済界をも揺るがすニュースが入ってきた。新日本プロレスの次期社長に、おもちゃメーカー、タカラトミーの元社長兼CEO、ハロルド・ジョージ・メイ氏(54)が内定したのだ。

 過去を振り返るにつけ、“業界外からの社長”というと、あまりいいイメージがないのがプロレス界なのだが、今回のハロルド氏は、門外漢から見ても、明らかに次元が違う印象。先ず、数々の数字がそれを物語る。

 日本コカコーラ副社長などを経て、2014年4月にタカラトミーの副社長として迎えられると、翌年6月には社長に就任。創業家以外からの初の社長誕生であり、熱い期待が感じられる反面、同社は同年3月期の決算で約18億円の赤字を記録。いわば嵐の中での船出であった。

 ところがどうだ。2018年3月には、同社は過去最高の営業利益を達成する見込みに。見事なV字回復を成し遂げたのだった。

 驚くのが、昨年11月7日に、同年大晦日でのハロルド氏の社長からの退任が発表された際のこと。「(会社を立て直すという)役目は終えた」というのがその理由だったが、翌日、タカラトミーの株価が13%安の1628円まで下がったのだ。“メイショック”“メイロス”とも言われるこの現象は、ハロルド氏に辞めてほしくなかった株主の気持ちを代弁している。

 今回の当欄は、各経済紙誌記者の協力も得て、このハロルド・ジョージ・メイ氏に徹底的に迫りたい。

より、勝敗が引き立つリングに?!


 2014年4月1日、副社長に就任し、「全社方針発表会」でタカラトミー全社員の前に初めてその姿を現したハロルド氏のエピソードは伝説化している。いきなり英語で喋り始め、社員が目を丸くしているのをみると、途中で、「同時翻訳機ヲツケテクダサイ。……えっ?ないの?では、日本語で喋りましょう」と流ちょうな日本語に一転。くだけたジョークに場内は笑いに包まれ、一躍社員の心を掴んだ。その後は、ステージ上を歩きながら今後の施策を熱弁。「まるで、スティーブ・ジョブスのようだった」とは当時の社員の言葉だ。

 1963年オランダ生まれ。父の会社の都合で、8歳から13歳まで横浜に移住。その後も各地を転々としたため、今ではインドネシア語やドイツ語ふくめ、6カ国語を操る。また、妻は日本人。3年8ヶ月務めたタカラトミーでの功績は、海外での不採算事業撤退や、社員の若返り政策などもあるのだが、ここではわかりやすく、商品の開発に目を向けてみたい。

 先ず、タカラトミーの顔と言っていいオモチャ、「プラレール」、そして、「リカちゃん人形」の復権だ。プラレールは、車両先頭に小型カメラを導入し、運転席からの風景が見えるように。さらに、スマホやタブレットで速さを調節できるようになった。「親子で楽しんでほしいという気持ちから」(ハロルド氏)の改新だったという。同じく、長い歴史を誇るリカちゃん人形も、服装を含めた大人向け商品を開発。そう、ハロルド氏の商品開発における方針の一つが、今一度、大人の顧客を大切にすることであった。長い歴史を誇る同社だから出来たことでもあるが、この点、創業46年を誇り、古来からの映像コンテンツも豊富な新日本プロレスなら申し分ない。年齢や日本との関係上、1980年代のプロレスブーム時や、1990年代のプロレス高値安定期の記憶もあるはずで、「その時のファンだった大人を呼び戻そう」という施策にも期待がかかる。

 2015年7月に発売した「ベイブレードバースト」にも着目したい。ベイブレードと言えば、こちらも2000年前後、同社の主力商品だったが、もちろん現代風にアレンジ。コマ同士をぶつけて、破壊出来るようにしたのだ(破壊された方は3つに分解され、元に戻せるようになっている)。当初聞いた時は少し物騒に感じたものだが、もともとのベイブレードは、どちらかが長く回り続けるか、ぶつけて相手をはじき飛ばして競技場の外に出すしか、勝負のつけ方がなかった。勝敗を一層、わかり易くしたのである。「人間の闘争本能に訴える。自分の思う理想のオモチャに近づいた」とは、ハロルド氏の弁。もともとプロレスファンという同氏だけに、まさに新日本プロレスは夢見たハード&ソフトかも知れない。月並みだが、より勝敗の過酷さが引き立つようなリング上になっていけば面白いだろう。

プロレスとオモチャの共通点!


 お次はその仕事への考え方。就職の面接に来る学生たちに思ったのは「個性のなさ。出身大学や成績以外に、何があるかが分からない」ということだとか。自身は6カ国語が話せただけに、これを武器にして、会社の役に立とうとしたのがそもそもの就職のきっかけだったとか。学生たちにも、先ず自分の強みは何かを理解し、そこから仕事を見つけてほしい、と語る。

 こちらは選手の考え方に寄り添わせることも出来るだろう。WWEの一部にあるように、上からの強引なキャラ付けでなく、そもそもの個性や特質を活かした選手重用への眼差しに期待がかかる。

 また、タカラトミー時代、社長室の扉は、常に開け放たれていたという。もちろん、社員が自由な意見を言いやすく、また、風通しの良い社風にするためだ。2015年からは、社内でハロウィンの仮装パーティーをおこない、翌年にはタカラトミー本社のある葛飾区と合同でパレードをおこなった。既成概念にとらわれず、遊び心のある自由人なのである。

 ハロルド氏が社長に就任する際、富山幹太郎(前)社長はこう言った。「今の延長線上に、未来はない」これはまさに、棚橋弘至がよく言う、会社が生き残って行く術、「伝統があること。技術があること。そして、時代とともに変わっていくこと」のラスト一項とも重なる・

 8歳で来日したハロルド氏が、まさに後に社長になるタカラトミーの魅力に目覚めた印象的なエピソードがある。日本語が喋れず、公園で(後に知る同社の主力商品)「トミカ」で遊んでいると、日本人の子供が楽しそうに寄ってきて、以降、言葉は通じずとも、トミカを通じて交流。その時、実感したという。「オモチャは、言葉の壁を越える魅力あるもの」。この、“オモチャ”を“プロレス”に換えても通じることは言うまでもない。

 新社長がどうプロレスの魅力を発信していくか、注目したい。はっきり言って、期待しかない。

この記事を書いたライター: 瑞 佐富郎

コメント

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  • 経営を見直し財務を整理しこれからは本格的に海外マーケットへの進出ですね!ブランディングやマーケティング次第ではWWEに勝てるとも言っておられますから、新日本の勢いは増すと思います!
    国内も攻めの姿勢で東京ドーム満員と言わずドームツアーを敢行してほしいです!

    ID:7231404 [通報]
    (2018/5/20 14:21)
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  • 事務所移転し、社員募集もし、新社長で新体制でどう変わっていくのだろうかと気になるね

    ID:5935268 [通報]
    (2018/5/20 15:14)
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  • ワクワクしますね。
    新日本の何をリニューアルさせるのか?
    レスラーか、アイテムか、システムか?

    ID:2107967 [通報]
    (2018/5/20 20:45)
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  • ちゃんとしたオーナーと会長がドッシリと構えているから、
    その時その時で有能な人材をシッカリと使えるのはいいですね。
    サイモンとか草間とかホラゴンとか・・・
    今思えばあの頃は本当に暗黒だったなぁ・・・

    ID:7230484 [通報]
    (2018/5/24 23:00)
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  • 昨日後楽園大会に行ったらロビーでファンと流暢な日本語で気さくにコミュニケーションを取っていて驚くと同時に好感と期待が持てました。

    散々SNS等で多方面に喧嘩ふっかけて所属選手や社員、そしてファンを混乱させたどこかのガ珍コオーナーとは雲泥の差ですな。

    ID:6429937 [通報]
    (2018/6/19 1:34)
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