2018/1/15 10:07

日本に夢を見せにきた!圧倒的本物クリス・ジェリコ

閲覧数:10493

日本に夢を見せにきた!圧倒的本物クリス・ジェリコ
4.6
最新のコメントに移動

2017年11月5日。IWGP USヘビー級王座を防衛したケニー・オメガ。
「ダレカ、イナイノ?」流暢な日本語で挑戦者を募り、誰も現れないと思われた時、大型ビジョンに映し出されたクリス・ジェリコの姿。
ファンの半数は熱狂し、半数は固唾を飲んでクリス・ジェリコの言葉を聞いた。
元WWEではなく、フリーランスでありながらいつでもWWEに出入り可能な特別パスを持つ世界に数少ないスーパースター。
そんなクリス・ジェリコが新日本プロレスファンに愛されてやまないケニー・オメガを挑発している。

これまでも元WWEという肩書きを持った選手は多数新日本プロレスのリングに上がってきた。
だが、クリス・ジェリコは自身のバンド活動でWWEを離れているとはいえ、イメージとしては現在もWWEのスーパースターなのである。
夢のような爆弾が投下された瞬間だった。
クリス・ジェリコ参戦はプロレスマスコミを賑わせ、Twitterにはクリス・ジェリコが如何に凄い選手であるかを語るツイートが溢れた。

ここ10年で新日本プロレスファンの新陳代謝は急速に進み、闘魂三銃士を知らない、永田裕志が新日本プロレスを背負いMMAのリングに乗り出したことを知らないファンも多い。
もちろん、クリス・ジェリコがかつて新日本プロレスに参戦したことがあり、親日家で邪道や外道と共にライオン道として活躍していたことを知っているファンがどれだけいるか。
そういったファンに対して、マスコミも古参のファンもクリス・ジェリコがどれだけ魅力に溢れた選手なのかを語りたがった。

だが、2000年代の新日本プロレスを知るプロレスファンの中にはクリス・ジェリコの本気度を少し疑ってしまう人もいたのではないだろうか。
2000年代、日本のメジャー団体にはWWEを退団した外国人選手が複数参戦していた。新日本プロレスで言えばハルク・ホーガン、ブロック・レスナー、カート・アングル、チャーリー・ハース、マット・モーガン等がそれにあたる。
しかし、継続して参戦する選手は少なく、明らかにアルバイト感覚でやってきていた選手もいたし、当時の新日本プロレスには元WWE勢を使いこなせる人間がいなかった。
元WWE所属組で長く日本で愛された外国人選手といえば、ジャイアント・バーナードくらいだろう。

だからこそ、クリス・ジェリコがどれだけの想いを持って参戦を決意したのか計りかねていたファンもいたはずである。
だが、同年12月11日、WORLD TAG LEAGUE決勝戦が行われた会場に再びクリス・ジェリコのVTRが流された。
そして会場が暗転し、ビジョンを見つめていたケニー・オメガの背後に現れたのは日本にいるはずのないクリス・ジェリコ本人だったのである。
一方的にケニー・オメガを襲撃し、流血に追い込んだ。この時、ケニー・オメガに放ったコード・ブレイカーは2発。そしてクリス・ジェリコは自身の頬に、IWGP USヘビー級のベルトにケニー・オメガの血を塗りつけた。
たった数分の襲撃劇。これだけでクリス・ジェリコの本気は日本のプロレスファンに伝わったと思う。
絶大な人気を誇るWWEのスーパースターがたった数分の襲撃のために来日したのだ。

そして、頂点であるαと終着点であるΩという図式で2018年1月4日を迎えた。
クリス・ジェリコは元祖電飾ジャンパーで姿を見せ、ここでも現在進行形のクリス・ジェリコを体現した。

試合のルールは反則裁定の無いノーDQマッチ。筆者としては何故ノーDQマッチとしたのか疑問だったが、二人の試合を見てハッとさせられた。
WWEは現在テレビ番組としてのレーティングを引き下げており、流血は御法度。限られた凶器攻撃しか許されていない。
クリス・ジェリコはそんな規制から解放され、リング付近にある物全てを武器にケニー・オメガに襲いかかった。そして、その攻撃の全てにファンは熱狂した。
推測ではあるが、ノーDQマッチというのはクリス・ジェリコ側からの提案だったのではないか。WWEではできないことを、日本だからできることを、ケニー・オメガとだからできることをクリス・ジェリコは全てやっていたように思う。

現在進行形の最高のクリス・ジェリコが見られただけで幸せであったはずなのに、クリス・ジェリコはそれだけで終わらせなかった。随所で自身の歴史を、かつての先輩であった故冬木弘道、盟友であった故エディ・ゲレロのムーヴを試合中に見せ、古参のファンを喜ばせる。
WWEのスーパースターではなく、プロレスラーのクリス・ジェリコがそこにいた。
だが、若さと身体能力、恐れ知らずという面で勝るケニー・オメガもただやられるだけではなかった。試合の7割を支配されながら、Vトリガーを武器に試合の流れを引き寄せていく。
α対Ωという幻想がそこにあり、その幻想を体現する二人がいた。
アメリカンハードコアなスタイルの中、互いのフィニッシュムーヴを放ち、ケニー・オメガが椅子への片翼の天使を決めてクリス・ジェリコはリングに沈んだ。
二人の残した作品は、メインイベントを張ったオカダ・カズチカと内藤哲也に多大なプレッシャーを与えただろう。

WWEがNXTという第3のブランドをジャパニーズスタイルのブランドに育て上げ、日本市場を狙いにきているように、ケニー・オメガvsクリス・ジェリコの闘いは新日本プロレスが放つアメリカ市場に対する宣戦布告のようであった。

「日本には二度と来ない!」試合後に暴れるクリス・ジェリコはそう言い放った。夢の時間の終焉。一度きりの夢でファンは満足したはずだった。
若き新日本プロレスファンはこの試合でクリス・ジェリコを知ったのである。
それでよかった。十分過ぎる程であった。

しかし、翌日の1月5日の後楽園ホール大会でクリス・ジェリコは内藤哲也を襲撃。観客の支持を味方に、1.4東京ドームのメインイベントを盤石のものとしていた内藤哲也に唯一ケチをつけていた男がクリス・ジェリコだった。

新年早々に最高の予告編をクリス・ジェリコと内藤哲也は見せてくれた。
圧倒的に本物だった男は、どれだけの期間我々に夢を見ることを許してくれるだろうか。

この記事を書いたライター: シンタロー

コメント

最新のコメントに移動
  • FOZZYのツアーで忙しそうだけどまた来てほしいなあ

    ID:5829508 [通報]
    (2018/1/16 14:29)
    0 0
    賛成:0% / 反対:0%

    Loading...


  • 実際ホーガンが久々に新日あがった時は嬉しかったけどな~。年とったとはいえね。当時は相手にできるのがいなかったって言うけど、蝶野がいたじゃん。

    でも今回のクリスジェリコはすごいと思う!

    ID:6198630 [通報]
    (2018/1/16 21:01)
    0 0
    賛成:0% / 反対:0%

    Loading...


  • ツアーがあるからG1は出れないことは確定している
    ケニーと楽しそうにドームの試合前に写真撮ったり今回の新日参戦の裏側を語ったり、若いころは日本だったとは言えやっぱりアメプロの選手

    ID:5154231 [通報]
    (2018/1/16 22:01)
    0 0
    賛成:0% / 反対:0%

    Loading...


  • やっぱり存在感というか、いるだけで空気を変えるというのはレジェンドの証明なのか。
    凄かったですね、自分のフィニッシャーの魅せ方や要所要所の緩急の付け方、観客が楽しめるような構成の仕方、何を見ても不足している所なくぶっ通しで試合を観てしまった。
    WWEではベビーでもヒールでもない立場だったのに、今回は判り易いヒールを演じきってみせたのも流石の一言。
    そしてバックステージでのコメントでも伏線を貼りまくるサービス付き。
    世界的なスター選手の異次元さを感じました。
    利益重視のビンス・マクマホンがWWE出入り自由の権利を与えるに相応しい選手であると実感しました。
    クリス・ジェリコは紛れもなくTHEαでした。

    ID:827514 [通報]
    (2018/1/16 23:42)
    0 0
    賛成:0% / 反対:0%

    Loading...


  • ジェリコVTRが流れた会場の雰囲気は8割ぐらい「誰?」って感じだったと思うけど

    AJスタイルズの時も同じく

    日本のプロレスも良いけど海外のプロレスも面白いから見てほしいな

    ID:6202697 [通報]
    (2018/2/3 2:00)
    0 0
    賛成:0% / 反対:0%

    Loading...


おすすめ記事

新しいコメントを投稿する

 [PCから画像ファイルをアップロード]

関連付けられたタグ

なし
[タグを付ける]

<< 一覧に戻る

プロレスが好きな人はフォロー!
「ぼくらのプロレス」ならではの情報をお届けします。