2017/12/6 10:49

「虚言と大言壮語の歴史」がわかる資料集「力道山史 否!1938-1963」【多重ロマンチック的ぼくらのプロレス】

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「虚言と大言壮語の歴史」がわかる資料集「力道山史 否!1938-1963」【多重ロマンチック的ぼくらのプロレス】
4.7

戦後復興の礎となった一人として、いまや日本史の教科書にも載るプロレスラー・力道山。現代に続くプロレス史の創始者と言っても過言ではない歴史上の人物だ。しかし誰もが名前を知る有名人でありながら、生涯何勝何敗であったかを知る人はほぼいないのではなかろうか。

答えは実働13年全1215試合。シングルマッチ391試合254勝18敗77分け2無効試 合(39試合は海外試合等のため詳細不明)。タッグマッチ824試合539勝167敗113分け2無効試合(8不明)。

プロ野球や大相撲において通算勝利数や安打数が常に記録されるのと違い、報道されない海外遠征試合、タッグマッチ、3WAY戦にバトルロイヤルなど数えにくい物もあるのが災いしてか、プロレスにおけるそれはどうしても希薄。そんな中、膨大な過去の資料を調べ調査した方がいる。それが2017年11月に「力道山史 否! 1938-1963」を頒布した仲兼久忠昭(なかがねく・ただあき)さんだ。

仲兼久さんは1948年生まれ(69歳)。プロレス史家の流智美さんも力道山のことを書くときは尋ねるというその道では知られた力道山コレクター。そんな仲兼久さんが力道山の生涯戦績(ライフレコード)調べのひと段落として出したのが、本書「力道山史 否!1938-1963」であり、上記の勝敗記録なのだ。

いわゆる同人誌という体裁ながら、本書には全試合の勝敗を当時の新聞記事や雑誌から網羅。さらに調査過程でコレクションした当時のポスターやパンフレットも収録。スクラップブック+収拾者によるひとことコメントという体裁ながら並みの辞書より厚い784ページ。値段もドドンと、18,000円。読み物としてはともかく、力道山資料集としては最高水準のものと言って差し支えないだろう。表紙は海外修行時代のショートタイツやボクサーブリーフスタイル写真。英字題は「THE RECORD OF RICKY DOZAN」という憎い装丁。

冒頭で仲兼久さんは記述する。資料を収集することでわかった力道山という人となり。一代でプロレスという文化を日本に築いた「面白い」レスラーであるとともに、「虚言と大言壮語の歴史」であるというのだ。実力に裏打ちされた大いなるハッタリ。これはのちの“梶原一騎節”にも通じる演出法なのだけれども、だからこそ日本を元気をもたらし、プロレスという稀有な文化、モノの見方を日本人に浸透させたのだろう。

大相撲当時の力道山記事、プロレスと相撲のはざまで揺れ動く心模様。日本プロレス旗揚げ時の報道記事。いまをも語り継がれ検証される力道山vs木村政彦戦当時の新聞記事など、眺めるだけでも興味深い。

この記事を書いたライター: 漁師JJ

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