2017/9/11 10:23

「PRIDEグランプリ」を蹴って臨んだ一戦! オカダのビッグマウスは、高山戦から? 復調へのエール!「高山善廣と好敵手たち」

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「PRIDEグランプリ」を蹴って臨んだ一戦! オカダのビッグマウスは、高山戦から? 復調へのエール!「高山善廣と好敵手たち」
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5月4日、DDTでの試合中に負傷。


 9月4日、一大ニュースがマット界を席巻した。頚椎の負傷で入院中だった高山善廣の現在の病状が、極めて重篤な状態であることが発表されたのだ。

 これを受け、マット界も、まさに一丸となってサポート活動を開始。支援団体「TAKAYAMANIA」の設立や、各団体、各会場での募金活動を展開している。それは、“帝王”、高山善廣というレスラーが、プロレス界全体に多大な貢献して来た証左に他ならない。そして、その歴史は、あまたの好敵手たちとの大死闘の道のりでもある。

 今週の当欄は、今回の事態に対し声をあげた選手たちを含め、その勝負の裏に隠されたドラマを振り返り、帝王へのエールと致したい。

さいたまスーパーアリーナより、日本武道館を選んだ高山。


 のっけからだが、プロレス界における高山の凄さを物語る記録がある。高山こそ、主要3団体(新日本、全日本、NOAH)の、ヘビー級のシングル及び、タッグ王座を、全制覇した、唯一の人物なのだ。

 その高山が、最初にメジャーのシングル王座に挑んだのは2000年の5月26日のこと。当時の全日本プロレスで小橋の持つ三冠ヘビー級王座へと挑戦。小橋の剛腕たる右腕に何度も膝蹴りを食らわす冷徹なファイトを展開。ところが、小橋はその右腕でのラリアットで、高山にフォール勝ち。「俺のは壊れないんだよ、と。お前の攻撃ごときで、壊れてたまるかという気持ちだった」とした。「まだ顔じゃない」と言わんばかりだった。

 だが、2度目の一騎打ちとなった2004年4月25日の一戦(GHCヘビー級戦)においては、まさに存在としてがっぷり四つ。高山は、新日本のIWGPやNWFのベルトも手中に納め、果てはPRIDEのリングにも上がり名勝負を展開していたのだ。

 小橋はこの試合に伝家の宝刀・ムーンサルトプレスで勝利。それは実に、4年2ヶ月ぶりの公開であった。「高山があの技(ムーンサルト)を呼び起こし、出させてくれたんじゃないかな……」と試合後語った小橋。勝利直後のリング上インタビューでは、さらにその真意に近い言葉を述べた。「高山が、このGHCのリングを選んでくれて、プロレスファンのみんなに、プロレスの力を見せることが出来たと思います!」

 実はこの日、埼玉ではPRIDEのトーナメントの開幕戦が行われていた。高山にも出場オファーが届いていたという。それを蹴って小橋戦を選んだ理由を、高山は試合後、短くこう言い残した。

「それは、俺がプロレスラーだから。プロレス最大の闘いに出るのが務めだから」

 今回の件にあたり、小橋は自らのTwitterで、「ガンバレ タカヤマ!ファイト タカヤマ!マケルナ タカヤマ!」とエールを送っている。

2011年1月4日、「高山、杉浦貴vs後藤洋央紀、岡田かずちか」で激突。


「勝ったけど完敗だな」2011年8月10日、「G1 CLIMAX」公式戦で高山に勝利した内藤哲也のコメントである。「(勝ちはしたが、)自分のプロレスをさせてもらえなかった」とし、「新日でもNOAHでも、その辺の公園でもいいから借りを返したい」と悔しそうだった内藤。現在、「制御不能な奴ら」(ロス・インゴベルナブレス)を束ねる内藤に、過去のこととはいえ、こうまで言わしめた高山。まさしく“帝王”の面目躍如だろう。そう、若い世代にも、その帝王からの薫陶は授けられているのだ。

 現在のプロレス界の顔、オカダもその1人。2010年、アメリカ修行中だったが。同年12月23日、新日本プロレスの後楽園ホール大会のタッグマッチで高山が勝利すると、私服のまま乱入し、振り向いた高山にミサイルキックを敢行。続けてジャーマンスープレックスを見舞い、宣戦布告した。2人は翌年の東京ドーム大会でタッグ対決することが事前に発表されており、その際、高山からオカダは「印象のない小僧」呼ばわりされていた。高山を襲ったオカダは、「これでちょっとは覚えて貰えたでしょ?」と不敵だったが、高山はそれ以上だった。「元気があっていいね。だが、正面から来ないのか?(ニヤリ)おじさん、凄く怒ってるからな。東京ドーム、楽しみにしとけ」。迎えたドーム決戦、オカダはほとんどいいところなく高山に蹂躙され、完敗。「まあ、岡田の名前は覚えたよ」と塩を送る高山に対し、今度はオカダのコメントがふるっていた。「正直、こんな結果で良かった。もし、今日、『岡田、すげえな』ってなってたら、アメリカに戻ってもテングになってたでしょうから。次は最高の最強になって帰って来る!」翌2012年の1月に再び帰国してからのオカダの躍進は、言うまでもないだろう。オカダは今回の事態にあたり、「僕は医者がダメだと言っても、何かできるんじゃないかと信じること(が大事)だと思う」と、プロレス界のトップらしい、凛としたコメントを出している。

「俺は、今日という日を生ききった」(中邑・2010年1月4日、vs高山後)


 そして、高山を崇拝し、終生のライバルとみていた感があるのが中邑真輔。2003年6月13日、中邑がデビュー1年足らずでNWF王座に初挑戦した際、その王者は高山だった。完勝するも、中邑の可能性を見てとったのか、試合後は、「新日の正規軍でチマチマやるなら、俺に預けてみろ。経験を積まないと、良い芽も腐っちゃうぞ!」と勧誘。事実、高山は同年、真壁を自らのパートナーに抜擢。NOAHのリングにも連れて行き、暴れ回ったこともあった。

 翌2004年の1月4日、今度は、中邑がIWGP王者として、NWF王者、高山を迎撃。ところが、中邑は前年大晦日のアレクセイ・イグナチョフ戦で鼻骨を骨折。その負傷を押してのメイン登場となり、高山に瀕死の大苦戦。試合中に意識が飛び、目を開けると、観客がゾッとした表情で自分を眺め、セコンドの田口がリングドクターを呼びに行くのを見て、「ああ、死んだと思われてるな。客を手の平に乗せるって、このことなのか」と、開眼したという。最後は死に物狂いのアームロックで辛勝し、「死んでもいいと思った」という中邑に対し、高山は、「心が強いよ。新日本の中で一番強いんじゃないか。ベルトにふさわしい男だね」と、最大級の賛辞を送ったのだった。

 2010年1月4日の東京ドーム大会では、IWGP王座の防衛相手として、中邑自身が高山を指名。「自分が求める闘いが出来るのは高山選手だけ」と、その理由を語り、試合も互いの膝による乱打戦を制し、激勝。高山は、「前はクルクル回るのが得意なボクちゃんだったけど、もう、体ごとぶつかって来て……素直に、強くなったなぁって。いや、失礼だね、俺が負けたんだから。強いよ、中邑」とし、「壮絶な戦いだったが?」と聞く報道陣には、「俺にとっちゃ普通だし、中邑にとっても普通だろ」とした。その高山へ、今回、中邑がTwitter上で送ったメッセージは、「He has made me what I am.」(彼が今の私を作った。)だった。

 なお、かつてのパートナーだった真壁とは、2011年のG1で対戦。高山が勝利したが、コスチュームは、この時期の定番だったロングタイツではなく、真壁と組んでいた時のトランクス姿。「あの頃の気持ちに戻って」と真意を語った高山は、「嬉しいよ。俺と組んでた選手は、杉浦といい真壁といい、みんな王者になった。真壁! またIWGP獲れよ! そして、俺と防衛戦やろうぜ!」と、感無量の体でコメントを残したのだった。

鈴木みのるとは、NWF王座の防衛戦で初対決。


 そして最後に、無二の戦友、鈴木みのる。2人は2003年9月21日に、新日本プロレスで初の一騎打ち。みのるは「いるじゃない、“新日本にも”面白いのが!」と、皮肉を込めて喜び、勝利した高山は、「俺たちの試合こそ、ストロングスタイルじゃないの?」とした。

 2人は、2008年6月17日、鈴木みのるの20周年記念興行で再戦。みのるが勝利したが、2年前、脳梗塞から復帰した過去のある高山は、「病気の時、一番近くにいて、一番親身になってくれたのが鈴木みのるだった。だからこそ、『あなたのお陰で、ここまで良くなりました』って、勝ちたかった」とコメント。対してみのるは、「過去も現在も未来も、俺にはアイツしかいない。でも、今日勝ったのは俺だからな。これで1勝1敗。やっと五分で話せるわ。次やる時は、もっと大きな会場で!」

「首から下が動かない」という報道もされた高山だが、それまではなかった両肩の感覚が戻って来ているという情報もある。意識もはっきりしている。帝王の闘いに負けはないと、信じて待ちたい。

この記事を書いたライター: 瑞 佐富郎

コメント

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  • 高山さん待ってるよ ちょっとでも良くなることを

    ID:653816 [通報]
    (2017/9/14 19:31)
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  • それ以外でも永田の抗争や、中西をマナブと呼んだり、 藤田 蝶野 ムタ 諏訪魔 など名勝負を量産してくれましたね。
    高山さんの解説は素人にはわからないところまで教えてくれて一番好きでした。

    高山さんのフィルターが、かつての全日本 新日本の質の違いを浮き彫りにさせた プロレス界のレスラーだったんですね。
    同時に帝王の仕上げになった三沢さんの存在が改めて凄いと思います。

    ID:2285302 [通報]
    (2017/9/27 21:38)
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