2017/4/10 14:32

僕らはマサ斎藤に夢を見る【多重ロマンチック的ぼくらのプロレス】

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僕らはマサ斎藤に夢を見る【多重ロマンチック的ぼくらのプロレス】
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マサ斎藤というプロレスラーがいる。1964年、レスリング日本代表として東京オリンピックに出場。その後プロレスに転向し全米で活躍。日本では維新軍の一人として長州力の右腕を務めた。引退後もテレビ朝日「ワールドプロレス」の名物解説者として活動した。しかし2000年ごろ「アゴが震えて、うまくしゃべることができなくなって、おかしいなと思ってたら、パーキンソン病だった」とドーパミン分泌減少により体の震えや固縮が起こるパーキンソン病を発症。スーパーバイザーとしてコーチもしていた埼玉・ダイヤモンドリングの道場が閉鎖されるとともに症状がひどくなり車いすの生活となった。

しかしリングの獄門鬼は現役時代の名言「Go for broke(ゴー・フォー・ブローク=当たって砕けろ)」のとおり、諦めなかった。目標は自身の出場した五輪以来56年ぶりの東京開催となる2020年夏季オリンピックにどんな形でも関わること。目指すは聖火ランナーだ。

2017年4月7日、大阪常套句区民センターで開かれた「賢祥堂美術PRESENTS STRONG STYLE HISTORY Nol.2 ~Go for Broke! Forever~」ではそんなマサ斎藤さんの指名試合が組まれた。上記ダイヤモンドリング時代の真弟子であり、2016年4月11日、改名した「マサ北宮vsブラックタイガーV」戦がそれだ。

「マサ」への改名から1年経つが、師匠に試合を見てもらうのは初めてのこと。対する黒虎仮面も中身は薫陶を受けた超竜戦士。かくして熱く、外連味もある一戦は車いすのマサさんの目の前で行われた。はたして「マサ」の名に恥じないファイトとなった。

観戦したマサ斎藤はおもむろに立ち上がり、手助けを得ながらもロープをくぐり、そしてしっかり2本足で立ちマイクを握った。「とっても強くなった。素晴らしい。でも、まだまだ先は長い」。やや聞き取りにくいながら、その声は力強かった。正面向きから北宮の顔をじっと見つめるように姿勢を変えると、大きく叫ぶ。

「俺はアメリカで戦ってきた。誰にも負けたくなかった。負けたら日本の恥だと思った。プロレス辞めたらこんな体になってしまった。(でも)俺に残ってるのはレスラー、一つだ。おい、今ここにいる皆さんの前で誓え。最後まで戦うと! 最後まで戦うと!」

北宮が体を支えようとするが、まだまだマサさんのマイクは止まらない。そしてしっかり一人で立っていた。「100万分の1となれ! 100万分の1となれ! みんなで一緒に叫びたい、Go for brokeと!」

写真ではやせ細り弱々しく感じるかもしれないが、体が動かしにくだけでマサさんの内面は熱い現役時代のままだった。「ここにいる皆さんの前で誓え。最後まで戦うと! 最後まで戦うと!」というのはもちろん自分へ檄でもあっただろう。そしてマサさんは最後に自身でも「Go for broke」と叫んだのだ。

年末年始以降、プロレスラーの有志が栃木まで訪ね、また、イーグルプロレスの協力を得る形で道場リングを使ってのスパーリングも開始したという獄門鬼。さらに理学療法士の日向亭葵さん(繁岡秀俊名義での著作もあり)がパーソナルトレーナーについたという。

いまだ車いすのマサ斎藤。現状では数百メートルを走らなければいけない聖火ランナーも厳しいだろう。でも、リングを見れば数メートルでもひとりで歩けるようになったのだ。最後まで戦おう。最後まで戦おう。僕らはマサ斎藤に勇気をもらい、マサ斎藤に夢を見る。

【関連】
心から尊敬しています。マサ斎藤さん、ありがとうございました。|たった90分で 体の痛みを「笑顔」に変えるエアリハ講演会

この記事を書いたライター: 漁師JJ

コメント

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  • ベイダーもドラゴン興行で復帰するためにトレーニングしてるようですしマサさんもオリンピック目標に頑張ってください

    ID:2103858 [通報]
    (2017/4/16 23:39)
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  • 最近!北宮がほんといい。試合がおもしろい。小峠戦も負けたけどだいぶ盛り上がったし。弟子の活躍で本家に刺激と活力を与えてほしいです。

    ID:2132460 [通報]
    (2017/4/17 13:42)
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