2017/3/31 10:01

技術を信じ踏み込んだ ジェイク・リーの一撃必殺【多重ロマンチック的ぼくらのプロレス】

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技術を信じ踏み込んだ ジェイク・リーの一撃必殺【多重ロマンチック的ぼくらのプロレス】
4.9

3月25日、新木場1stリングで「ニコプロ presents ハードヒット~湾岸MOON RISE~」が行われた。

藤原喜明の参加したセミファイナルなど見どころたくさんの大会だったが、ここでは第3試合のジェイク・リー(全日本プロレス)vs松本崇寿(リバーサルジム立川ALPHA)戦を取り上げよう。

ハードヒットのルールは通常のプロレスルールと違い、3カウントなし。エスケープ(ロープブレイク)やダウンなどにより減らされるロストポイントによって争われる。よっていわゆるプロレスルールと比べエスケープを奪える関節技、絞め技が得意な選手が有利となり、ダウンを直接的に狙える打撃技や投げ技をどれだけ有効に使えるかが勝利を導く。

それはプロレスラーが内に秘めたバックボーンをむき出しにし、格闘家がプロレスという奥深き沼地に踏み込む湿地のようなルール。しっかりした平たい大地の上で闘うのもプロレスだが、時に足元がどうなってるかどうかわからない場所で、それでも自分の技術を信じ踏み込むこともプロレスの面白さの一つなのだ。

ジェイク・リーは全日本の期待の若手。2011年にデビューするが9か月で引退し、2015年に再デビュー。192㎝の体躯を誇るが、まだまだベルトには手が届かないポジショニング。2016年に初出場したチャンピオンカーニバルは1勝5敗に終わった。

対する松本崇寿は2009年に修斗グラップリングオープントーナメント優勝。2011年にパンクラス第17回ネオブラッドトーナメント・ライト級で準優勝する柔術家。ハードヒットでは2016年に第2回NEXT CONTENDERS 1DAY Tournament優勝と寝技では無類の引き出しと強さを誇り、2014年には青木篤志&佐藤光留組に柔術特訓を教える側に回った寝技のスペシャリストだ。

ゴングが鳴り中盤までほとんどの時間は迷彩色の柔術着をまとった松本が優位に進め、まるでスライディングするように足元に絡みつき足関節を狙うなど、通常地味なグラップリング技術は、松本の動きで虹色に代わる。絡め取られるとジェイクはロープに手をにじりよせるしかなく、三角締めを狙っても器用にヘッドシザースで切り返され、2ポイントを次々先取されてしまう。

流れを変えたのは5分過ぎ。ジェイクは近づいた松本に一気呵成のとび膝蹴り。背後をとるや、急角度のバックドロップで完膚なきまでにノックアウト。しばし動けず大の字になる松本の姿に、観る者は固唾をのんだ。

ひとつの膝蹴り、ひとつのバックドロップで衝撃がほとばしる。もちろんプロレスにおいてもジェイクはバックドロップを得意にしているし、ひざ蹴りも使うけれど、ここでのそれは圧倒的、一撃必殺の技だった。膝の鋭さは復帰前に取り組んでいた再デビュー前に取り組んでいた総合格闘技の持つスリルと色気を伴っていた。

プロデューサーの佐藤は試合後に「バックボーンを活かさなくていいの?」といった。スポーツライクになりつつあるプロレスだからこそ、研ぎ澄まされたナイフは光を帯びる。これはジェイクだけでなく、花鳥風月のリングでプロレスをする松本にも言えることだろう。この日はプロレスラーに憧れるあまり、学生時代に単身カール・ゴッチを訪れ修行経験ある格闘家・桜井隆多も参戦。藤原組長とゴッチ道場タッグを組んだ。レスラーを目指した経歴も立派なバックグラウンドだ。

この経験を持ち帰り、それぞれのホームグラウンドでどう生かすか。ハードヒット経験者のネクストをこれからも見守りたい。

【公式サイト】
ニコプロ presents ハードヒット〜湾岸MOON RISE | ハードヒット オフィシャルサイト

この記事を書いたライター: 漁師JJ

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