2017/2/11 12:39

棚橋弘至に笑顔を取り戻させた男?タグチジャパン監督・田口隆祐がそこにいるという素晴らしさ

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棚橋弘至に笑顔を取り戻させた男?タグチジャパン監督・田口隆祐がそこにいるという素晴らしさ
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「MASTER OF DROPKICK」、「ファンキー・ウェポン」と呼ばれ、新日本プロレスジュニア戦線の正統派トップ選手として活躍していた田口隆祐が、下ネタを連発し、越中詩郎の意思を継ぐように「尻職人」と呼ばれるようになると、誰が想像できただろう。
そして、使用する技の名称のセンス以外は真っ当なプロレスラーだったからこそ、現在のキャラクターに変貌した当初は、コメントで下ネタを多用するスタイルを受け入れられないファンもたくさん存在したと思われる。
しかし、キャラクターを貫いている間にコメディタッチなコメントや試合スタイルは研ぎ澄まされていき、すっかり新日本プロレスに無くてはならない価値のある選手となった。
「走らせるやつ」と呼ばれる相手をロープに走らせ続けるという、如何にもプロレス的なムーヴ1つをとっても、相手にダメージを与えるわけでも無いのに、卓越した動きに観客は歓声を上げている。
筆者には、正統派だった頃よりもその価値が向上しているように感じられる。

2017年1月4日の東京ドーム大会で棚橋弘至は内藤哲也とのIWGPインターコンチネンタル選手権に敗れ、時代の中心に返り咲くチャンスを失った。新日本プロレスの最前線からも後退を余儀なくされた。
だから、翌日の1月5日の後楽園ホール大会では悲壮感すら漂わせてしまうのではないかと心配した。
だが、そこにいたのは笑顔の棚橋弘至であった。
もちろん、悲しい顔でファンの前に出るわけにはいかないというプロ意識もあったと思うが、その棚橋弘至以上の陽性キャラクターとなった田口隆祐の影響も計り知れない。
対戦カードは1月4日の東京ドーム大会でNEVER無差別級6人タッグ王座を獲得した、SANADA&EVIL&BUSHIとのタイトルマッチ。
前日に内藤哲也に敗れた棚橋弘至と第0試合出場で正式なカードの組まれなかった中西学と田口隆祐では、明らかに勢いの差があった。
しかし、この熱戦を制して新王者となったのは棚橋弘至&中西学&田口隆祐であった。
セミファイナルで鈴木軍の乱入、オカダ・カズチカへの襲撃という不穏な事件により、重くなった会場の雰囲気は3人の勝利により一気にハッピーエンドとなった。

さて、上記の通り、田口隆祐はデビュー当初から真面目な印象があり、ドロップキックに強い拘りを持つヤングライオンのジュニア戦士であった。
現在でこそ新日本プロレスでドロップキックの使い手といえばオカダ・カズチカであるが、2000年代前半、新日本プロレスのリングでドロップキックの使い手ナンバー1は田口隆祐だったのである。
若手時代の田口隆祐のドロップキックの凄さを示すエピソードとして、獣神サンダー・ライガーとシングルマッチを行った際、試合開始直後にドロップキックを連発して秒殺したことが挙げられる。
打点の高さ、フォームの華麗さ、威力まで文句の無い必殺技であった。

長期のメキシコ遠征を経て、田口隆祐はファンキー・ウェポンとなり、現在も時折見せるタグダンスを開始。
現在WWEに所属しているフィン・ベイラーことプリンス・デヴィットとタッグチーム「Apollo 55」を結成し、アレックス・シェリー&クリス・セイビンの「モーターシティ・マシンガンズ」、ミラノコレクションA.T.&タイチの「ユニオーネ」をライバルにタッグチームとして大活躍。
飯伏幸太&ケニー・オメガの「ゴールデン☆ラヴァーズ」との一戦で東京スポーツが主催するプロレス大賞で年間最優秀試合を獲得するなど、タッグチームとして一時代を築いた。
だが、2013年にプリンス・デヴィットがBULLET CLUBを結成したことによりApollo 55が解散したこと、2014年に2度めのIWGPジュニアヘビー級王座戴冠を成し遂げたこと、その戴冠により第69代目IWGPジュニアヘビー級王者となったことが田口隆祐の方向性を現在のものに変えさせたのだと思う。

そして2017年、鈴木軍の帰還という変化が田口隆祐の陽性なキャラクターをより必要とさせたのではないか。
鈴木軍は同じヒールユニットのCHAOS、BULLET CLUB、Los Ingobernables de Japónと比較すると、暗くてダーティなイメージが強い。
暗黒時代を抜けて復活した新日本プロレスは会場に来てくれたファンに対して、激しい戦いを見せると共に幸せを感じられる空間を提供してきた。
筆者はその地道な繰り返しがファンの信頼を取り戻し、リピーターを生み出すことに、そして団体としての復活に繋がったと考えている。
鈴木軍はヒール色の薄れたCHAOS、アメリカンギャング要素のあるBULLET CLUB、ダークヒーロー的な側面を持つLos Ingobernables de Japónと違い、純粋なヒールユニットであるから仕方の無いことであるが、イベントとしてのバランスを考えた時、そんな鈴木軍に匹敵する明るさを持つユニットが必要だと思うのだ。

そこに現れたのが監督である田口隆祐を筆頭にして、棚橋弘至と中西学にマイケル・エルガン、そしてドラゴン・リーを加えたタグチジャパンだった。
ユニット名から考えると、マイケル・エルガンとドラゴン・リーはカナダ人とメキシコ人だから、サポートメンバーとなるのかもしれないが、個性もコスチュームもバラバラなのに5人が揃っていると姿を見ていると不思議な一体感がある。

新設された当初は存在意義すら疑われたNEVER無差別級6人タッグ王座に輝きが宿り始め、最前線から遠ざかっていた棚橋弘至と中西学に復活の兆しが見えてきた。
そのムードを作り出してくれたのは田口隆祐、その人だった。
グッズに刻まれた「オヤァイ!」、「ギタる」は中邑真輔のパロディで、現在入場時に着用しているコスチュームや仕草はEVILを茶化しているだけにも見える。
かつての田口隆祐を知るファンは、ネタレスラーになってしまったと残念に思うかもしれない。
だが、筆者は抜群のパロディセンスとネタを仕込んで実行してしまう才能を持つ田口隆祐が新日本プロレスにいてよかったと思う。

この記事を書いたライター: シンタロー

コメント

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  • 一見、まとまりのない6人タッグのチャンピオンも田口がいるからまとまって見えるのが凄いです。下ネタやモノマネ(ちゃかした感じの)もあることで試合、ひいては大会自体に緩急がつき、いいスパイスになってると思います。また、ただのネタレスラーにとどまらないのが非凡なレスラーセンスと実力があるから。笑いをとりつつもしっかりと試合を組み立て観客を魅了出来るのは流石。本当に新日本にいてくれてよかったと思います。

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    (2017/2/11 13:54)
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  • 試合、観てきました。負けてしまったけどタグチジャパンは光ってましたね。もう入場からぶっちぎってましたから。まさか棚橋がSANADAのコスプレ(しかもかなり安っぽい)するなんて…タグチワールド全開で観客から『カントク』コールまで。元々、実力者だけにしっかりと試合もできるしやられ方がまた…。中西もいい味が出てたし棚橋も違う引き出しが出来たんじゃないだろうか…できれば解散せずに続けてほしいです。もったいはいチームです。

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    (2017/2/11 22:59)
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  • 本隊の中でも近年まれに見る魅力的なチームだよタグチジャパン。棚橋ならまだしも、ベルト戦線に踏み入れることはもう無いだろうと思っていた中西まで引き上げるなんて思わなかったし。本隊勢の復権のためにもタグチジャパンは存続させるべきだと思います。

    ID:1476565 [通報]
    (2017/2/12 14:48)
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  • ヒロムに挑戦したときにアンクルみたいに、田口しっかり技を隠してるからあのパロディが許されるんだと思う。

    ID:812289 [通報]
    (2017/2/13 12:16)
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  • HONOR RISINGでNEVER6人タッグ選手権が第2試合で組まれてるけど
    いくらなんでもこのベルトをぞんざいに扱いすぎじゃないか……
    しかも挑戦者がタイガーマスク、ライガー、デリリアスと、
    勝ったところで防衛戦を組み続けるのが困難なチーム。
    せっかく初代のブリスコブラザーズもいるのに……

    せっかくLIJや田口ジャパンがちょっとベルトの価値をあげてくれたのに
    会社がそれを落としてどうすんだ

    ID:2475208 [通報]
    (2017/2/13 21:35)
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  • 確かに。やっとまわりだした六人ベルトなのに…棚橋はシングル戦線に戻るかもしれないけど代わりに誰か入れてでも再始動してほしい。
    多分、そんな意見多いと思うから会社も汲んでくれるはず。定着してグッズ出せば売れそうだし。

    ID:5984 [通報]
    (2017/2/15 0:30)
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  • LIJの華麗なタッグワークと田口JAPANのチーム力は素晴らしいし、ここにTHE ELITEなんかもまた絡めば十分今からでも浮上できるベルトだと思います。
    一番の問題は上の方が言われているように会社がそう認識していないことですが。

    ID:2988292 [通報]
    (2017/2/15 23:29)
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  • ハンタークラブとはえらい違いだ

    ID:2804232 [通報]
    (2017/2/20 6:36)
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