2017/1/23 13:01

おかえりなさいスコット・ノートン!今でもみんな貴方が大好きです!

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おかえりなさいスコット・ノートン!今でもみんな貴方が大好きです!
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2017年1月4日、新日本プロレス東京ドーム大会の第0試合で行われた、1分時間差バトルロイヤル「ニュージャパンランボー」の最後の選手として、往年の外国人選手スコット・ノートンが出場した。

スコット・ノートンは1990年代から2000年代前半にかけて新日本プロレスで活躍した外国人のエース選手。
プロレス入り前はアームレスリング、いわゆる腕相撲の強豪選手であり、世界大会優勝、全米選手権3度優勝という輝かしい実績を持っていた。
また、アームレスリングをテーマとしたシルヴェスター・スタローンの映画「オーバー・ザ・トップ」にも出演しており、日本での入場テーマ曲はこの映画で使用されていた楽曲となっている。
ニックネームは「超竜」「閃光」「フラッシュ」と称されることが多かった。
「超竜」は元週刊ゴング編集長の金沢克彦氏が名付けたものだが、「フラッシュ」というのはどっしりしたファイトスタイルに似合わないもの。
このニックネームはアームレスリング時代に、閃光のように素早く相手を倒す様からつけられたニックネームであり、本人も気に入っていたのかコスチュームに「閃光」と入れていた時期がある。

スコット・ノートンは友人の故ホーク・ウォリアーに誘われてプロレスの世界に入り、ブラッド・レイガンズ、バーン・ガニア、マサ斎藤に師事してアームレスリングの選手からプロレスラーに転身。
1989年にアメリカのAWAという団体でデビュー後、新日本プロレスには1990年に初来日。
デビュー1年目で来日したのに新人という雰囲気は一切なく、長州力のリキラリアットを被弾してもすぐに立ち上がるというタフネスぶりを披露。
当時トップ選手だった長州力のラリアットを喰らってやられてしまわないのだから、新日本プロレスが如何に期待していたかがわかる。
もちろん、先の映画に出演していて、鳴り物入りでプロレスデビューしていたことも大きい。

特筆したいのはスコット・ノートンのファイトスタイル。
得意技は逆手平チョップ、ラリアット、フライングショルダーアタック、投げ捨て式のパワーボム。
樽のような体型でありながら脂肪があるようには見えず、胸板はパンプアップされていて、丸太の如き腕から放たれる逆手平チョップとラリアットは大迫力であった。
また、当時のアメリカ人選手にありがちなリングの踏み鳴らしを伴うパンチを使用しなかった点も、日本で受け入れられた大事な点ではないだろうか。
マイクアピールが得意ではなく、1996年に入団したWCWでの活躍は少ないが、本国でnWoに加入したため、新日本プロレス参戦時もnWo JAPANの戦力となった。
それでもヒールらしい戦い方はせずに持ち前のパワーで本隊の選手を蹴散らす姿は、まさに超竜というニックネームに相応しいものであった。
そしてファンにチャーミングな印象を与えてくれたのが、スコット・ノートンの舌である。
なぜかスコット・ノートンは少しだけ舌を出しながら逆手平チョップやショートレンジラリアットを繰り出すことがあり、190cm・160kgの巨体でありながら威圧したり怖がらせるだけの存在にならなかった。
そして1998年、蝶野正洋が返上したIWGPヘビー級王座を争うトーナメントで優勝し、外国人としてIWGPヘビー級王者にまで登り詰めた。
この時点では外国人王者が2人しかおらず、スコット・ノートンは歴代3人目となる外国人王者となった。
さらに、この少し前から「ノートン超え」という言葉も生まれている。
スコット・ノートンを超えることが一流レスラーへの登竜門であり、現在の第三世代の高い壁としての役割も果たしていた。

1999年に入ると、nWo JAPANは、武藤敬司率いるnWo JAPANと蝶野正洋率いるTEAM2000に分裂する。
1998年までnWo JAPAN所属の外国人として、ほとんどレギュラーで来日していたNWOスティング、マイケル・ウォールストリートがTEAM2000に寝返る中、スコット・ノートンは当時のボスであった武藤敬司の派閥に所属し、nWo JAPAN唯一の外国人選手となった。

そして2000年に新日本プロレスとWCWの提携が終了すると、スコット・ノートンは新日本プロレスを主戦場に選択することになるのだが、数年後には新日本プロレスの暗黒時代に巻き込まれていった。
アントニオ猪木が持ち込んだ格闘技路線の被害者となったのは日本人選手だけではなかったのだ。
2001年、PRIDEで大きく飛躍した藤田和之が初代IWGPヘビー級のベルトをアントニオ猪木から授けられ、新日本プロレスにカムバック。
このアントニオ猪木が持ち込んだ摩訶不思議なストーリーは、当時正規のIWGPヘビー級王者であった佐々木健介と藤田和之が、4月9日の東京ドームで2本のベルトを賭けて争うことになった。
しかし、東京ドーム以前に佐々木健介はスコット・ノートンとの防衛戦が3月17日に控えており、結果として佐々木健介vs藤田和之は4月の東京ドームでは実現しなかった。
スコット・ノートンが再びIWGPヘビー級王者となったからである。
アントニオ猪木は新日本プロレスのオーナーであり、藤田和之を使ってその権力を現場に、リング上にまで及ばせようとしていたことは明らかであった。
佐々木健介は現場監督だった長州力の愛弟子であり、長州力が作り出した、ストーリーを必要としない肉体と魂のぶつかり合いで魅せるプロレスの体現者。
藤田和之に負けるわけにはいかなかった。
だから、スコット・ノートンは佐々木健介を守る形で藤田和之の前に立ったのだと筆者は感じていた。

その後、スコット・ノートンはタイトルマッチに絡むことも無くなり、新たな外国人エースを求めていた新日本プロレスの思惑に素直に従い、到底好試合とならないであろうジョシュ・バーネットとのシングルマッチで敗北。
そのジョシュ・バーネットは数年で新日本プロレスを離脱し、MMAの世界に戻っていく。
全く次に繋がらない敗北。
そして初来日から16年、通算来日回数が100回を超えた2006年に。ジャイアント・バーナードとのシングルマッチに敗北する形で、スコット・ノートンは新日本プロレスのリングから姿を消した。
試合後にジャイアント・バーナードと握手するスコット・ノートンの表情が忘れられない。
「これから新日本プロレスを頼むぞ」という願いと、深い寂しさが感じられたから。

新日本プロレスを離れたスコット・ノートンは、UWAI STAION、ハッスル、プロレス・エキスポ、全日本プロレスと参戦団体を変えながら来日を重ねた。
しかし、新日本プロレスへの思いは変わらなかったようだ。
2016年後半には本人のツイートで新日本プロレスへの参戦がほのめかされ、古くからのファンはスコット・ノートンの再来日を期待した。

そして2017年1月4日、ニュージャパンランボーの最後の選手として入場テーマ曲が流れた時の大歓声。
10年間という長い時間を経てもスコット・ノートンが新日本プロレスを忘れなかったように、ファンもスコット・ノートンを忘れていなかった。

みんなが貴方を待っていた。
みんな貴方が大好きだった。
だから心からこう言いたい。
おかえりなさいスコット・ノートン!

この記事を書いたライター: シンタロー

コメント

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  • レジェンドプロレスみたいにシニアばかりのイベントには興味はありませんが、ビッグマッチの第0試合とかにシニアの試合を入れるのは賛成です。

    名付けて「プロレス無形文化財認定試合」

    ID:2107967 [通報]
    (2017/1/23 14:11)
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  • 武藤がやるレジェンド興行はどういう感じになっていくんだろうね?

    ID:890598 [通報]
    (2017/1/23 19:29)
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  • 試合速報で名前見たときは鳥肌たちましたよ。おっさん世代にはたまらんです。ビッグマッチ限定でもいいのでまた見たいです。

    ID:5984 [通報]
    (2017/1/23 20:52)
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  • 入場だけでもいいんですよ・・・
    またリングに上がってくれるだけでもいいんだ・・・
    入場曲が流れて、オーラ全開で入ってきて、そんでコールを受けて皆で大歓声で迎えて。
    嗚呼、プロレス、その夢と浪漫よ

    ID:4714 [通報]
    (2017/1/23 21:59)
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  • 初来日した時の尋常じゃない強さにびっくりした。
    新日本のトップクラスを片っ端からパワースラムで倒していく姿に興奮したものです。

    ID:2652 [通報]
    (2017/1/24 0:14)
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  • 見るからにプロレスラーだよね、理屈抜きで。
    好きだったなぁ~。

    ID:163768 [通報]
    (2017/1/24 1:47)
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  • 今でもずっと大好きなレスラーの一人です!あんなに凄い肉弾戦は日本人では真似出来ない!

    ID:3376665 [通報]
    (2017/3/29 3:32)
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