2016/9/28 10:19

「貴方にとってプロレスとは何でしたか」藤田和之に問うてみたいこと

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「貴方にとってプロレスとは何でしたか」藤田和之に問うてみたいこと
4.5
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2016年9月25日、RIZINでバルト戦を行った直後に藤田和之が引退を示唆した。
涙ながらではあったが、そのコメントは思い残すことはないという意志を感じさせる内容となっており、このまま四角いリングに別れを告げると見られている。

そのバルト戦まで、藤田和之はあくまで「プロレスラー」という括りになっていたが、
これは日本のMMAがいつまでも引きずっている異種格闘技感を演出するためのものであり、
その実は2000年に新日本プロレスを退団した時から、
プロレスのリングにも上がる総合格闘家になったのだと思っている。

藤田和之がプロレスを楽しそうにやっている姿を筆者はほとんど見たことがない。
本当なら新日本プロレスを退団して以降、
一切プロレスをやるつもりなど無かったのではないかと思う程に。
しかし、アントニオ猪木は自身の影響力を保つためか複数回に渡って藤田和之を新日本プロレスのリングに呼び戻し続けた。
その度に苦しそうだったことを思い出してしまう。

例外は二回あった。一度目は2005年の後半に活動した永田裕志、中西学、
ケンドーカシンとのユニットであるチームJAPANの一員としてリングに上がっていた時期。
しかし、それは長く続かなかった。
2006年の1.4東京ドーム大会で当時IWGPヘビー級王者だったブロック・レスナーへの挑戦が決まっていながら「試合はできない」と不可解な理由で欠場を発表。プロレスファンから避難を浴びるハメになった。
これは藤田和之に非があるわけでなく、新日本プロレスと当時藤田和之が所属していた猪木事務所の間に大きな問題があった故に起きた事件である。
2005年後半に新日本プロレスは敵対的な買収を受ける可能性があるとして、
株式会社ユークスの傘下に入っている。
上場していない新日本プロレスが敵対的買収を受けることはないはずなのだが、
本来新日本プロレスの株を買い取ろうとしていたのは猪木事務所であり、
これまで散々迷惑をかけられてきた新日本プロレスとしては猪木事務所の傘下に入ることが耐えられなかったのであろう。
アントニオ猪木は猪木事務所ではなくユークスに株を売り渡し、
新日本プロレスのオーナーでは無くなった。
この一件で猪木事務所はアントニオ猪木から事実上放棄され、
解散に至るのだが、既に決定していた藤田和之の参戦を取り止めるというイタチの最後っ屁を発射した。
これで藤田和之と猪木事務所も関係が悪化してしまったのか、
解散を聞かされていたのか、時系列的には上記の直後に猪木事務所から独立して藤田事務所を発足させている。

政治力に左右されてのプロレスへの回帰はここで終わると思われた。
しかし2006年には主戦場にしていたPRIDEからフジテレビが撤退。
PRIDE崩壊後に選んだ戦極も長くは続かず、アントニオ猪木が旗揚げしたIGFのリングで、MMAと共にプロレスに取り組むことになるのだが、
ここでも憮然とした表情でプロレスの試合をこなす姿しか目にすることができなかった。

ここで藤田和之がプロレスを楽しんでいるように思えた二つ目の例外を記したい。
厳密にはプロレスの話題を楽しそうに話していた。
2009年、真壁刀義が初めてのG1 CLIMAX制覇を成し遂げた時、
真壁刀義の口から藤田和之の名前が飛び出した。
二人は言うなれば同期の桜。藤田和之の新日本プロレス退団時にはいつか同じリングでまた試合をしようと約束して別れている。
総合格闘家としてスター選手となった藤田和之の名前を、
G1 CLIMAX優勝という実績を経てようやく口に出せたのだろう。
藤田和之はその言葉にこう応えている。

「本当に絶えて絶えて、言葉にできない扱いを受けて勝ち取った優勝。
これまでの誰より価値がある。約束は覚えています。もし闘う時はどこのリングでも構いません。ただもう少し時間をください。真壁さんの優勝と肩を並べられる男になった時は、一挑戦者として名乗りを上げさせてもらいます」

このまま藤田和之はプロレスを楽しまないまま、本当に引退してしまうのだろうか。
果たされていない約束では、もう一度リングに上がる気持ちにならないのだろうか。

今、藤田和之に問うてみたい。

「貴方にとってプロレスとは何でしたか」

真壁刀義との試合が実現するかしないかで、その答えは変わるように思えてならない。

この記事を書いたライター: シンタロー

コメント

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  • 藤田ほど、身体・技術・ハート・才能に恵まれた選手もいないですね。
    時代に翻弄されながら道なき道を歩いてきたと思います。
    もう一回ドップリプロレスに浸かってもいいのでは?
    故郷に新日本に帰ってきたらいい。

    ID:1910157 [通報]
    (2016/9/28 13:16)
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  • ん~…もったいない気もするけど年齢考えたら妥当なのか…。負けが込んでるレスラーがプロレス回帰してトップにいけるか…と。もしトップを獲ったら団体の価値も下がってしまうような。桜庭は負けてから新日本には上がってないし。
    藤田も所属する団体がしっかりしてればもっと活躍出来たんじゃないだろうか…あの体格に風貌はレスラーとして説得力十分やから。そういう意味では勿体ないです。

    ID:5984 [通報]
    (2016/9/28 14:41)
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  • 新日入団後、先輩からの鬼のようなシゴキに耐え続けた真壁。かたや真壁を横目に特別扱いを受けた藤田。
    その時の心境は分からないけど、この経験の差、立場の違いが何年も経った今になって現れたんじゃないかなって思う。
    でも若い藤田には判断できる訳もなく、才能溢れる選手なのに本当に勿体ないなと。

    不勉強なファンの個人的な意見ですが。

    ID:1091830 [通報]
    (2016/9/28 20:39)
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  • MMA とプロレスは別物、柴田が今活躍しているように藤田もMMAを引退してプロレスに専念すれば黄金カードはいくらでもある。
    以前新日に上がってた時は健介、川田、中邑あたりを子供扱いにしてた。
    新日で柴田、永田とユニットを組めば他のチームに対抗できるし、カシン、鈴木とのはぐれ軍団でも面白い。
    真壁戦もいいが岡田戦に興味ある。

    ID:1354988 [通報]
    (2016/9/29 10:22)
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  • 因縁の諏訪魔との一騎打ちを願います。ガチガチのプロレスを思いっきりしてほしいです。やっぱり、『藤田って、プロレスどんだけ強いんだろう?』という疑問はずっとありました。このまま引退してしまうのは、もったいない気がします。

    ID:515717 [通報]
    (2016/9/29 21:29)
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  • 楽しそうにプロレスをやってないからといって嫌々やっているわけではないと思うが…

    藤田は当時強さの象徴で、猪木からも若手の壁になってやれと言われていたから、畏怖の対象としてのキャラクターを演じていたのでは?
    本人はプロレス自体は好きみたいだし。
    結構その辺誤解されやすいから、損していた面はあると思う。

    ID:774955 [通報]
    (2016/9/29 22:30)
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  • たしかに憮然とした表情が多かった藤田。いろんな葛藤もあったと思う。ただ、まわりが思うほど残念なプロレス人生だったような気はしない。

    ただ、いろんな思いを問うてみたり、あれこれ想像したくなるような気持ちはわかる。それくらい常人離れしてて、ちょっと想像の中で色々と盛りたくなってしまう感じがするし。

    ID:1144401 [通報]
    (2016/9/29 22:51)
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  • 最後ははぐれ軍団の一員として自信と共に、鈴木秀樹を是非新日本のリングに導いてほしい。

    ID:1603561 [通報]
    (2016/9/30 0:57)
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  • 全日本プロレスに参戦してほしい。諏訪魔、宮原、ゼウス、15年くらい前なら夢の対決だった秋山準と総合格闘技っぽいプロレスではなく、純粋なプロレスを思いっきりしてほしい!藤田が力一杯に逆水平やラリアットをしている姿がみたい!

    ID:515717 [通報]
    (2016/9/30 21:26)
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