2016/6/30 9:59

プロレスで見出したアイドル道~安藤咲桜(つりビット)の場合【多重ロマンチック的みんなのプロレス】

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プロレスで見出したアイドル道~安藤咲桜(つりビット)の場合【多重ロマンチック的みんなのプロレス】
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いわゆるアイドルのマネジャーをしている知り合いがいるのだが、アイドル業の凄みを時々垣間見るときがある。それはいかなる場所、時間にも対応する起点の速さだ。通常の対バン形式ライブですら、持ち時間はまちまちであることが多いのだが、俗にいう営業では、その時間が1曲だけの時もある。

マイクだってメンバー数分マイクがあるとは限らず、マイクを回しながら歌う時もある。彼ら彼女らはその都度、頭の中で曲の構成をやりくりして時間調整をし、場に応じてフォーメーションを変える。そして当然ながら、ライブハウスなど自分たちのために来てくれる客前で歌うこともあれば、商店街の一角で道行く人向けにアピールすることもある。客層、客数によってパフォーマンスは微調整される。

場数を踏むことでアドリブ(即興性)に強くなり、成長し、ときにヘコむ。マネジャーの彼と酒を酌み交わしながら、プロレスとアイドルの親和性、類似性を語ったのは二度や三度のことではない。アイドル。いや、エンタメ業に携わる人は、一度はプロレスに触れるべきだ。とは強く思うものの、そこは地上波も深夜のマイナースポーツ。いくら流行ってると喧伝しても、アイドルを生業とする方々でプロレスファンというのは、やはりというか、まだまだ一握りの存在だ。しかし、齢15歳にして「兄と一緒に見てたら意外と面白くて、ストーリー性、パフォーマンスでもスゴいじゃん! というところが好きになりました」と、プロレス(特にWWE)好きを公言し、職業にも生かしているというアイドルがまたあらわれた。その名は立って踊れるフィッシング系グループ、「つりビット」の安藤咲桜(あんどう・さくら)さん。

「つりビット」といえば、釣り具メーカーのスポンサードを受けたり、魚界隈や、海の日系イベントで活躍し、コンセプトと全然関係ないミニストップのソフトクリームの販促ソングを歌ってたりもするティーンエイジアイドル。安藤さんが素晴らしいのは“プロレス好き”を、ゴールデンタイム系プロレスオトナに良くありがちな、過激な仕掛けや、変にギミックに凝ったりという“ガワ”の部分に現さず、内面にある感情をいかに発露するかという一点に抱いているという点だ。ラジオ日本「真夜中のハーリー&レイス」ゲスト出演回(2016年6月7日)で語った一点を抜粋しよう。

 演技とかはまだやったことないんですけど、(プロレスは)感情が込め方とか、演技もすごい勉強になるとこありますよね。WWEを見て演技に興味がわきました。ライブ中のパフォーマンスでも、大きく見せてみよう、表情を作ってみよう、オーバーリアクションを意識しようとか、気持ちが強くなりました。
 一番意識しているのが、試合だけに集中するんじゃなくて、お客さんに魅せる試合をしてるんだってところ。私たちもMCで(メンバーとの)会話に集中するんでなくて、お客さんに魅せるMCをするってことです。
 ファンの方には、表情の作り方がいいねと言われます。プロレスはアイドルのパフォーマンスに勉強になるんです。パフォーマンスの意識が変わってきました。(ラジオ日本「真夜中のハーリー&レイス」6月7日放送分より)
リングを見て、ここまで吸い上げられるなんて、ファンの鑑って言葉じゃ表せないくらいのユニバース・オブ・ユニバース。この子はもう、どんなろくでもない映画を見ても自分の生きる糧にできる感想文で釣ってくれるんじゃないかってくらいの褒め言葉だ。大沢在昌さんが言っていたよ。反省やお世辞なんて誰でもできる。大事なのは、そこからどう、身にできるかってことだってね!(すっ飛んだ着地点) メンバーにプロレスを見せて広めようとしても、いまいち浮きは動いてくれない葛藤に悩みながら、彼女はこんなことも語るのです。

 好きなレスラーはランディ・オートン。倒す時の目線とか、スゴく強いじゃないですか。キラキラしてるじゃないですか。目力はスゴく参考にしていて、できる限り大きく開いて、お客さんに目を合わせて。で、後ろのお客さんに見えるように大きく手を開いて。(必殺技・RKOのタイミングも)あ、ここでくるか! ってときと、待ってました! ってときがあったので、いろんなバリエーション、タイミングが毎回驚かされます。そのあとのやってやったぞ! という表情が好きですね。(同上)
彼女はパフォーマンスを、オートンのRKOを意識しながらやっている!(WWEに興味ない人はオートンを新日本時代のカール・アンダーソンに、RKOをガン・スタンに置き換えて想像してみよう!) 振付一つ一つのダイナミズムを「あ、ここでくるか!」のRKOと「待ってました!」のRKOに置き換えて! ついついYoutubeで「つりビット」を検索したくなる大胆不敵さ。しかしだからこそ、歌と踊り、ついでに釣りも楽しくなる。現時点でメンバー唯一のソロ曲「アイツのひざだっこ」ではこんなアクションもあるんだとか。

 しかもあたし、間奏でラリアットするんです。
――どういうことですか?
 間奏で「ラリアットするぞ~!」って叫んで舞台上からファンのみんなにラリアットするんです。エアなんですけど。エアでやると、ファンのみんながウェーブみたいに倒れてくれるんです。
――なんと。
 それで間奏が長いので、できる回数だけやってみようと思って。6回連続でやったりとか。
――6回連続でやる安藤さんもスゴいけど、6回連続でやるお客さんもスゴいですよ。
 そうなんです。倒れて立ち上がって、倒れて立ち上がって。っていうのを、繰り返して。お客さんも私もハァハァ息切れして。やってます。私、そろそろ無理かなって思って、ダンスに入ろうとすると、(客席から)「もう1回、もう1回」て。「行ける、行ける」って言ってくださるので、やってます。(同上)
ここで注目されたいのは、釣りコンセプトのユニットなのに、プロレス成分をこじ入れたタフネスさ、ではなくて、翌週ゲストの獣神サンダー・ライガー選手が語っていた「プロレスをやってて面白いのは、『お客さんを手に乗せた瞬間』」という自分発信のコール&レスポンスを、見事自分の土俵に落とし込んでいる点だろう。安藤さんは番組中、プロレスとアイドルの共通項を、チームの中でキャラを濃くする、色分ける作業。自分自身を出すというというのは簡単そうで難しい作業。ライブだけでは伝わらないので、MC(マイクパフォーマンス)があると強く弁舌。つりビットの中でも、リーダー格ではないながらも、単独で週刊ヤングジャンプ「サキドルエースSUVIVAL」に出場し、グラビア挑戦と自分の色を押し出す安藤さんだけに、説得力があるというもの。

毎年10月10日、魚(トト)の日に筆記と実技によりセンターを決める(通称・釣りセンター)という「つりビット」。センター獲得はプロレスで例えれば、チャンピオンベルト。安藤咲桜さんには再度(2年ぶり2度目)の獲得を目指し頑張ってもらいたいもの。そしてそのプロレス心を持ってして、目指せ大漁、大海原! そして全アイドルよ、プロレスを観よ! 胸の内に取り入れよ!(熱弁)

この記事を書いたライター: 漁師JJ

コメント

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  • 外に向けて発信しない系のアイドルはすべて自慰行為だと思っているけど、
    まあがんばってください。

    ID:1222505 [通報]
    (2016/7/1 1:24)
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  • この手はももクロが上手くいきました。
    彼女達にプロレスネタやマイクアピールさせて、上手くサブカル層やプロレスファンを獲得しましたが二番煎じかな?とは感じます。
    ただプロレスとしとはプラスなんじゃないかな?と思います。ファンが1人でも増えれば良い事ですし。

    ID:480137 [通報]
    (2016/7/1 1:50)
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  • ももクロは本人たちは興味ないけど、マネジャーたちが好きで手法をオマージュしてってパターン。ぶっちゃけ安藤さんとか、最近だと光宗薫さんとか、個人でプロレスイズムを取り入れてる人のほうが好感モテる。

    ID:1088193 [通報]
    (2016/7/3 16:50)
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