2016/5/21 10:59

愛される猪突爆進の男~大日本プロレス・神谷英慶の信条は努力辛抱~【ぼくらのプロレスコラム】

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愛される猪突爆進の男~大日本プロレス・神谷英慶の信条は努力辛抱~【ぼくらのプロレスコラム】
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大日本プロレス・神谷英慶(かみたにひでよし)は一度、入門テストに落ちている。
だが、プロレスラーになる夢を諦めずに再度、入門テストを受けて合格した努力家だ。
当時の試験官だったのが"怪力無双"関本大介はこう語る。

「実は入門テストを受けに来たときに、スクワットも何もできなくて落としたんです。そうしたら次の年にもう一度お願いしますって彼は来たんです。それが最高に嬉しくて。テストも完璧にこなしたんです。この一年でどれだけ彼が努力したんだろうと思って」

こうして2012年4月13日に神谷はプロデビューを果たした。
彼が選んだ大日本プロレスはデスマッチ路線とストロングBJ路線の両輪を確立した日本最高峰のインディー団体だ。
特にストロングBJは全日本プロレスのチャンピオン・カーニバルやゼロワン火祭りを制した怪物・関本大介、BJW世界ストロングヘビー級王者の岡林裕二を筆頭に、天龍プロジェクトに定期参戦し、龍魂を継いだ大日本戦士の河上隆一、喧嘩っ早さが持ち味の橋本和樹、フリーとして大暴れする巨大戦艦・石川修司といったメジャー団体に負けないレベルの高いクオリティーを誇っている。また彼らの活躍に憧れた有望な若手レスラーや鈴木秀樹や佐藤耕平、真田聖也といった他団体の王者クラスも参入し、層も厚い。

そんなストロングBJでここ一年で急成長を遂げたのが神谷だった。
180cm 106kgの肉体を武器に、猪突猛進ならぬ、猪突爆進という異名を持つ神谷はぶちかましと急角度バックドロップで成長を遂げていった。

2015年4月28日の後楽園ホール大会で神谷はBJW世界ストロングヘビー級王座に初挑戦を果たした。
王者は神谷の努力を見届けてきた関本だった。

大日本後楽園大会で、BJW認定世界ストロングヘビー級王座と「両極譚」(7月20日、東京・両国国技館)のメーンイベンターをかけ、王者・関本大介(34)と挑戦者・神谷ヒデヨシ(23)が激突。
(中略)
序盤は神谷を子供扱いしていた関本だったが、急角度岩石落としで脳天から投げ捨てられると、一気にピンチに。15分過ぎには2度目の岩石落としを食らい、カウント2・9まで追い込まれた。
だが、3度目を狙う挑戦者を何とか背負い投げで阻止し、超滞空ブレーンバスター、剛腕ラリアートで猛ラッシュ。最後はぶっこ抜きジャーマンで薄氷の勝利を収めた。
試合後はしばらく立てなかったが、声を絞り出し「ちょっと天地が分からなくなった。レフェリーの(マットを)叩く音で何とか目が覚めた」と安堵の表情を浮かべた。
(関本ストロングヘビー級王座ぶっこ抜き防衛/東京スポーツ 2015年04月29日 )


キャリア3年の神谷はあの関本をあと一歩まで追い込んだ。
セコンドに就いた先輩レスラーの元大日本プロレス・塚本拓海(現・プロレスリングBASARA)はこう語っている。

「一番近い後輩で、本当に入ってきた時はダメだったのを知ってるから今でも気になるんですよね。同期の植木嵩行(エクセントリックな言動と行動で日本インディー大賞ニューカマー賞を受賞した元警察官)があんなにブレイクしてカミちゃんは悔しさもあったと思うんですよね」

神谷は先輩やスタッフから「カミちゃん」という愛称で呼ばれ、愛されている。
そんな神谷だからこそ、塚本はセコンドに就いたのかもしれない。

2015年12月30日の後楽園ホール大会で、WRESTLE-1の浜亮太とのコンビでインディー最強コンビ関本&岡林を破り、BJWタッグ王者となった。

試合後、パートナーの浜を神谷を絶賛した。

「(神谷が)デビューしてすぐに僕とシングルやってるんですよね。そこからだいぶ成長したし…。まさかこんなに大きくなってるとは思わなかった。努力の賜物だと思います。若いんだけど、彼から学ぶことがすごく多いんで。何事にもチャレンジする気持ちとか、何も恐れずに突っ込んでいくところは、やっぱすごいと思いますよ。見習わないと、僕も。こんなに優しい顔してガッツあるんだからすごいよね。人は見かけによらない」

そして、浜は神谷にこう語りかけた。

「夢をつかむためには忍耐の"忍"がないと夢へはいけない」

これは神谷の生き方、そのものだった。
プロレスラーになるために血のにじむ努力の末、入門テストに合格した神谷。
大日本プロレスで生き残るためにさらに努力を積み重ねた神谷。
プロレスラーとしてのセンスや才能、運動能力は他のレスラーよりも劣る部分もあるのかもしれない。
だが、それを補える武器が神谷にはあった。

それが"努力辛抱"という信条だった。

努力辛抱というフレーズとは1990年代の全日本プロレスにおいて練習の虫と呼ばれた小橋健太(現・小橋建太)を実況の若林健治アナウンサーが形容したものだった。
このフレーズこそ、神谷のためにある言葉である。
実は努力を継続できるというのも一つの才能だ。
神谷にはこの才能に恵まれ、研鑽をし続けることで大日本プロレスになくてはならない選手に成長した。

2016年の春に開催された大日本最強リーグ戦「一騎当千」は強豪ぞろいの中で神谷は準優勝を果たした。
だが、神谷はさらなる高みを目指す。

「正直、今の僕はまだまだこの位置かもしれない。でも、僕はね、ここで終わりじゃないですから!自分でもこれから先、どうなっていくのか、お客さんにも、どうなっていくのかわからないかもしれないけど…。コツコツと一つ一つ積み上げて、またバケモノみたいな人達と真っ向勝負したいですね。そして、その真っ向勝負で、いつかBJWストロングのベルトをこの腰に巻きたいと思います」

神谷英慶24歳。
応援しがいのある愛される猪突爆進の男は夢に生きる。

この記事を書いたライター: ジャスト日本

コメント

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  • 以前は顔つきが坊っちゃんタイプで凄みがなかったけど最近はいい表情みれるようになりましたね。
    ショルダータックルやヘッドロックのようなクラシカルな技で沸かすことができるのも。若くて体格もいいし、これからが楽しみな選手の1人です。ライバルも大地、和樹、河上といるし大日本のストロングは若手が充実してますね。

    ID:5984 [通報]
    (2016/5/22 19:11)
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