2016/2/23 18:41

正確さより大切なことがある プロレスのリングアナ【多重ロマンチック的ぼくらのプロレス】

閲覧数:3136

正確さより大切なことがある プロレスのリングアナ【多重ロマンチック的ぼくらのプロレス】
5.0
最新のコメントに移動

例えばプロボクシングの裏方さん。目に見える部分だけでもかなり分業されていて、レフェリー(審判)、ジャッジ(判定官、副審)のほか、リングアナ、タイムキーパー、インスペクター(公式記録員、最高執行役)などがいるんですね。

プロレスはというとレフェリーとジャッジの役割をレフェリー1人が務め(ときにレフェリー8人マッチなどもあるけれど)、リングアナ、タイムキーパー、それにインスペクター的な進行役も兼ねているのがプロレスのリングアナ(団体によっては音響も兼任)。

ボクシングが分業制をとるのは競技の厳密性を高めるため。レフェリーはもちろん、タイムキーパーも免許制度。ゴングを叩くのはタイムキーパーの仕事。プロレスはというと、競技性よりも興行としてのフットワークや柔軟性を取って(ボクシングと比べて)ひとり何役という、現在のシステムに行き着いたのだと思います。

分業制や緩急のいい悪いは置いといて、プロレスはボクシングと比べて緩い、ゆえにできる演出がある。リングアナとして行っている代表的な演出を、全日本、W-1と移り、現在は新日本プロレスでリングアナウンスをする阿部誠さんが語っておられました。

 気を付けているのは、『○分経過~』というアナウンスのタイミングです。たとえば、ピッタシ20分経過の時点で選手が凄い応酬をしているときにマイクでしゃべると水を差してしまうので、そのあたりは臨機応変に対応しています。(白泉社「ヤングアニマル」2016年2月26日発行No.4)
言われないと気付かない、さりげない演出。選択するのは、正確さよりも、お客さんに「気持ちよくリングに入り込んでもらうこと」。

例えばボクシングに倣ったポンド(パウンド)表記の体重アナウンスを、直感的にわかるキログラムのアナウンスに直したのは、新日本プロレスのリングアナだった田中秀和さん。煽りの入ったコールや試合会場で選手入場曲を流すのも、田中リングアナのアイディアでした。

SWSに始まり、現在はドラディションなどでもリングアナをつとめる鳴海剛さんはリングアナという仕事をこんな風に表現します。

リングアナウンサーって、皆さんは「選手の名前を呼ぶ人」的なイメージをお持ちだとは思いますし、実際私自身もそう思ってました。 でも、実際は、その日のプロレスイベント全体の司会進行役なんです。いくら選手が良い試合を見せてくれたとしても、司会進行が上手くなかったら、盛り上がりに欠けますし、逆に選手の試合がうまく噛み合わない時、上手い司会進行がフォローしてお客様の気持ちの埋め合わせをすることもあります。(K'sfactory「月刊K's新聞」2015年11月号より)
マニュアルはあるけれど、それ以上にアドリブと蓄積された経験が問われるのがリングアナ! プロレスを観る際には、リングアナの一声に耳を傾けてみてくださいね。話は戻り阿部リングアナ。最後にこんな言葉を投げかけます。

どんな素晴らしい演出も、ファンの声援には勝てないと思うんです。その声援があるからこそ、レスラーもいつも以上の力を発揮できるので、会場では心の底からプロレスを楽しんでいただきたいですね。(白泉社「ヤングアニマル」2016年2月26日発行No.4)
奏でる楽器がなければ、指揮棒も意味はない。さあ、リングアナのコールが聞こえたら、最高の声援を送りましょう!

【関連】
プロレスのリングアナウンサーやってみた【多重ロマンチック的ぼくらのプロレス】|ぼくらのプロレス
プロレス、格闘技のリングアナウンサーとアニメ声優さん - さよならストレンジャー・ザン・パラダイス

この記事を書いたライター: 漁師JJ

コメント

最新のコメントに移動
  • 1999年1月4日、新日本プロレス東京ドーム大会で起きた橋本真也と小川直也のセメントマッチ。試合結果は無効試合ですが、ゴングを鳴らしたのはあくまでも、田中秀和リングアナの独断だったですよね。

    ID:218404 [通報]
    (2016/2/23 18:53)
    0 0
    賛成:0% / 反対:0%

    Loading...


おすすめ記事

新しいコメントを投稿する

 [PCから画像ファイルをアップロード]

関連付けられたタグ

 リングアナ  新日本プロレス
[タグを付ける]

<< 一覧に戻る