2016/2/17 20:41

壮絶すぎる真夏の人生劇場 敗者の如く悔しがる破壊王と大の字にぶっ倒れるド演歌ファイター~1994年G1最終日 橋本真也VS越中詩郎~【ぼくらのプロレス物語】

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壮絶すぎる真夏の人生劇場 敗者の如く悔しがる破壊王と大の字にぶっ倒れるド演歌ファイター~1994年G1最終日 橋本真也VS越中詩郎~【ぼくらのプロレス物語】
5.0

1991年から開催されている新日本プロレス最強戦士決定戦「G1CLIMAX」。
これまで幾多の名勝負を生み出してきたこの大会。

その中で私が推薦したG1名勝負がある。
1994年8月7日両国国技館で行われたBブロック公式戦。
橋本真也VS越中詩郎である。

1994年のG1は12選手がA、Bブロックに分かれて、両国国技館五連戦で行われた。
Aブロックに長州力、武藤敬司、蝶野正洋、藤原喜明、谷津嘉章、木戸修の6選手。
Bブロックは藤波辰爾、橋本真也、馳浩、パワー・ウォリアー、越中詩郎、飯塚孝之の6選手。
優勝候補に挙がったのは長州力、橋本真也、パワー・ウォリアーの3選手だった。

この年のG1も数多くの激戦が続く中で、最終日を迎えた。
橋本真也は2勝1敗1分の勝ち点5。
当時の橋本は現役のIWGP王者であり、新日本の強さの象徴だった。
IWGP王者がG1を制覇できないというジンクスを破ることに執念を燃やしていた。
この試合前の時点で、パワーが3勝1敗1分の勝ち点7で公式戦を終了し、単独トップに立っていた。橋本としてはこの越中戦に勝利して、パワーとのBブロック代表決定戦に臨みを繋げたい。

一方の越中詩郎は2勝2敗の勝ち点4。
平成維震軍の大将として、ただ一人G1にエントリーしたド演歌ファイター。
しかも7月に行われた予選会を勝ち抜いてのG1出場となった。
越中は馳戦、パワー戦と名勝負を連発し、G1の名勝負製造機としてこの年、獅子奮迅の活躍を見せた。
ただ、試合前の時点で越中の決勝進出の可能性は消えていた。
何のために橋本戦を闘うのか?
それは己と平成維震軍の存在意義を示すための彼は最終戦のリングに立った。

橋本は爆殺シューターと呼ばれるキックで越中を痛めつける。
それに耐え忍びながらも越中は橋本に反撃する。
場外でのパイルドライバー、ジャンピング・ヒップアタックを橋本に決めると、リング内に戻り、135kgの巨体を誇る橋本を見事にジャーマン・スープレックス・ホールドやパワー・ボム3連発で橋本を追い込む。

だが、橋本はここで負けるわけにはいかない。
DDT、三角絞め、ワキ固め、腹固め、フロント・スープレックスで越中をジワリジワリとスタミナを奪いに行く。

中盤に越中の切り返しの回転エビ固めをヒッププレスを圧殺すると、セカンドロープから、さらにトップロープからのダイビング・エルボードロップ二連発で追い打ちをかける。
だが、越中はこの肘爆弾を食らってもすぐに立ち上がり、パワーボムで叩きつける。
一進一退の攻防が続く。
その中で終始、「越中」コールが鳴り響く。
越中の試合は見る者を熱くさせるのだ。

試合終盤になると橋本の一方的な攻撃が続き、越中は青息吐息。
橋本の攻撃をサンドバックの如く受け続けた。

DDT、垂直落下式DDT、フライング・ニールキック、ハイキックといった橋本の必殺技フルコースを食らっても越中は3カウントを許さない。
橋本の勝利は遠のいていく。

実況の辻よしなりアナはこう叫ぶ。

「まるで越中が橋本に人生を教えている!」

橋本、最後の攻撃パワーボムが決まったが、越中はキックアウトする。
そしてゴングが鳴り響いた。
30分時間切れの引き分け。
その瞬間、リーグ戦敗退が決まった橋本は悔しさの余りに右こぶしを何度もマットに叩きつけた。
その姿はまるで試合に敗れた敗者のようだった。
リングを下りる時も橋本は憮然たる表情で去っていった。

首の皮一枚で橋本と引き分けた越中は大の字にぶっ倒れていた。
この姿もまるでKO負けを喫した敗戦ボクサーのようだった。
大の字の越中に平成維震軍の仲間達が駆け寄って、越中を讃える。
しばらくしてから越中は立ち上がり、両手を上げて大歓声に応えていた。

1994年のG1で繰り広げられた壮絶すぎる真夏の人生劇場。
橋本VS越中はプロレスの魅力とドラマ性、G1の過酷さが象徴されたG1屈指の名勝負となった。
両国国技館の会場にはいつまでその名勝負を讃えるかのように、「越中」コールの雨が降っていた…。

この記事を書いたライター: ジャスト日本

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