2016/2/5 9:56

田中将斗と黒田哲広 20世紀末の日本インディー界に誕生したライバルストーリー【ぼくらのプロレス物語】

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田中将斗と黒田哲広 20世紀末の日本インディー界に誕生したライバルストーリー【ぼくらのプロレス物語】
3.5

それはまだメジャーとインディーに格の差があった時代。

1990年後半にメジャーにも負けないハイレベルなライバル関係が誕生しました。

伝説のプロレス団体FMWの田中将斗と黒田哲広の二人である。

田中と黒田は同年代。
先にプロレスデビューしたのは黒田だった。(デビューしたのはPWCという団体で1993年3月18日)
田中は1993年7月23日にプロレスデビューする。

二人のプロレス道が交わったのが1993年秋、黒田がPWCからFMWに移籍してからのことだった。

先にFMWで頭角を現したのは田中だった。
1995年春頃から大仁田厚率いるFMW軍とW★ING軍の抗争で脚光を浴びる。
大仁田引退後の新生FMWではハヤブサと二枚看板として支えた。

一方の黒田は数年は日陰の道を歩んだ。

「田中には負けたくない」


そんな想いを抱きながら日々闘っていた黒田に光を与えようとしたのが引退から復帰した大仁田厚。
自ら率いるZENというユニットを黒田をスカウトしたのだ。

「星飛雄馬に対抗するための伴宙太」のような関係を築くのが大仁田の狙いだったという。

だが、黒田はZENというユニットが解散し、"理不尽大王"冬木弘道率いるTNR(チーム・ノー・リスペクト)のしもべになるという屈辱を味わった。

一方の田中はアメリカ第三のプロレス団体ECWに遠征すると、トップレスラーとして活躍。「アメリカのマサ斎藤」という評判を得ることになる。

その後、黒田は大仁田がまたも立ち上げたユニットであるチーム0のリーダーとなり、自己主張を繰り広げるようになる。

TNRの実力派ミスター雁之助と組みたいと行動したり、トーナメントやシングルマッチで好勝負を連発し、ようやく黒田の才能が開花しようとしていた。

1999年1月、田中はFMWに凱旋帰国する。
そこには筋肉の鎧を身にまとった田中の姿があった。
田中はエンターテイメントプロレスに進化したFMWの中で闘いを軸にしていくことに執心する。
田中はFMWを変えるためにライバルである黒田と組むことで団体を変革しようと考えた。
だが、黒田は田中と組むのを拒絶する。
今さら田中の下になるつもりなど黒田にはなかった。

1999年2月、田中と黒田はシングルマッチで対決する。
いきなり、リング上で始まったイス・チャンバラ。
机やイスが飛び交うハードコア戦と、まるで全日本プロレスの四天王プロレスのようなハイレベルな攻防が入り混じった二人ならではプロレスが展開されていた。

当時の田中は120kgの巨漢にも関わらず、脅威のタフネス、パワーとスピードを併せ持つFMWのターミネーター。
一方の黒田はラリアットと各種スープレックスで相手を追い詰め、好勝負を連発し、なぜか応援しがいのあるFMWの越中詩郎。

試合は激闘の末、田中が勝利する。
試合後、田中は黒田に一緒に組もうと誘う。
黒田はその声を無視し、リングを下りようとする。
だが、そこに思わぬ男が黒田の前に立ちはだかる。

それは当時若手の佐々木嘉則、後のマンモス佐々木である。
黒田がリーダーであるチーム0には大仁田も去り、メンバーは黒田と佐々木だけ。
どうやら黒田は最後までついてきた佐々木のために田中と組むのを拒んでいたのだ。

佐々木は黒田を説得する。

「リング上に戻って、田中さんと握手してください!」

佐々木の熱意に根負けした黒田はリングに戻り、田中と握手した。
そして、田中は黒田を説得した佐々木にも声をかけて、3人でFMWを変革することを決意する。

だが、FMWはエンターテイメントプロレスの迷路にはまりながら、日々模索する毎日。闘いを軸にする田中の想いがリングにはなかなか届きにくかった。
一方の黒田はエンターテイナーとしての才能も開花し、そつなくこなしていた。
二人が組んで、FMWを変革することは実現しなかった。

2000年1月、田中が保持するWEWシングル王座に挑戦することになった黒田。
当時、田中は闘いがなくなり、ぬるま湯になりかかっていたFMWに警鐘を鳴らしていた。
黒田は田中に対して、闘いで想いを伝えた。
ハードコア&四天王プロレスは今宵も繰り広げられ、黒田が勝利する。
遂に黒田は田中越えを果たした。

その後、2001年2月に田中はFMWを退団し、黒田は2002年のFMW崩壊まで見届けた。
田中はゼロワンに入団すると、黒田は金村キンタローとともに参戦し、熱戦を繰り広げた。

現在、田中は日本一の名勝負製造機としてプロレス界で確固たる地位を築いている。
もう田中はインディーもメジャーを超越したプロレスラーとなった。

一方の黒田は金村ととにアパッチプロレス軍の一員として活動している。

20世紀末に日本インディー界で生まれたライバルストーリー。
田中将斗と黒田哲広。
二人が奏でた男達の挽歌は、インディーやメジャーというボーダーを越えた魂の極闘だった。

この記事を書いたライター: ジャスト日本

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