2015/11/10 10:13
棚橋弘至&HARASHIMA…握手をめぐるエトセトラ(その2)
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これまで、G1決勝戦後の棚橋選手と中邑選手の握手について述べてきました。
それにしても棚橋選手はなぜ、試合での握手を好まないのでしょう。
G1決勝戦後のPodcastで、握手についての棚橋選手の見解を聞くことができます。
中邑選手との握手のあと、棚橋選手がハグしにいくかのような距離感だったので、それをかわす形で中邑選手が腕を上げにいったように見えた、という質問に対して、
「いや、ハグしにいこうとはしてないです。ハグしたらもう、恋人ですよ(笑)」
と答え(そういえば中邑選手は「Bi-mounthly」で「オカダだったら、ハグまでしていたかもしれないし(笑)。」と言っていたのでしたね)、その場は笑いに包まれました。
そしてその後、棚橋選手は、
「僕はいろんなところで、『試合中とか試合後の握手は嫌いだ』と言っているんです」
と言い、握手不要論者になったきっかけを話し始めました。
それはROHでの遠征に参加した際のことだといいます。
レジェンドであるライガー選手と組んでいたからかもしれませんが、試合が始まった直後に握手を求められた棚橋選手。
対抗戦なのにと戸惑い、そこから「握手はいらねえな」と思ったのだそうです。
棚橋選手はこう言っています。
「試合前の握手は、よっぽど正統派同士ならばいいですけど、闘う図式をゼロからマイナスに下げるように思えるんです」
「スポーツマンシップに則って『競い合おうぜ!』というよりも、『ブチのめしてやるぜ!』という姿勢を見せた方がいいのかな…って」
これらの発言には、プロレスという競技自体への考えが強く反映しているようでした。
「プロレスはシチュエーションであって、仮面ライダー対仮面ライダーは強くなり続けるしかない。エスカレートしていくところを止めるには、勧善懲悪しかないんですよ。そうすると握手は最も要らない行為ということになるんです」
棚橋選手の発言には一理あるかもしれません。
ただ。
「よっぽど正統派同士」の闘いを、ファンは期待していたのではなかったでしょうか。
G1決勝戦からちょうど一週間後に……。
8月23日に行われたDDT両国国技館大会。
2年連続で出場した棚橋弘至選手は、「ドラマティック・ドリームマッチ」と題されたセミファイナルで、HARASHIMA選手とシングルマッチを行いました。
個人的なことで恐縮ですが、出張で長野の山奥にこもっていた筆者は、観戦していた友人から、紙テープの中の棚橋選手という新日本プロレスでは見られない新鮮な写真とともに、「アオリがDDTから見た視点ですごく新鮮だった」「胸を貸してる感があったよ」というメッセージを受け取っていました。
試合後の一連の行動も、「試合後はマイクのないところで(棚橋選手がHARASHIMA選手に)何やら話しかけてたよ」と言っていた友人には、そうギスギスしたものとは見えなかったようで、そうか、それは後日テレビ観戦するのも楽しみだなあ、と筆者は思っていたのです。
ところが、棚橋選手の心中がそんな穏やかなものではなかったのは、皆さんもご存知の通り。
棚橋選手がHARASHIMA選手との試合後に見せた怒りについては、既にこちらのコラム(http://boku-pro.com/news/view/10451)ですぐれた言及がなされていますので、筆者がこれから述べることは屋上屋を重ねるようなものかもしれません。
ただ、舞台が同じ両国ということもあってか、極みの夏を終えたばかりの棚橋選手は、ベビーフェイス同士の、言い換えれば「よっぽど正統派同士」の、スポーツマンシップに則った闘いを望んでいなかったようです。
棚橋選手が求めていたのは、よりシチュエーションにこだわった闘いであったように思われるのです。
カード発表時にはむしろにこやかといえるほどの表情を見せ、相手の決め台詞を使いながらアピールをしていた両選手。
そこでの「他団体の選手のことは興味がないんですけど…」というHARASHIMA選手の言葉を捉えて、「井の中のエースvs世界のエース」というシチュエーションに持って行ったのは棚橋選手の方。
もしかするとHARASHIMA選手の「他団体の選手のことは…」という発言も、その後の「棚橋選手には興味があります」を導くための措辞・リップサービスであったかもしれませんが(何しろ、否定語の後に本質がくるのがレトリックというもの。たとえば「彼女は可愛いけど性格が悪い」「彼女は性格が悪いけど可愛い」。現象は同じでも、前者は性格が悪いことを、後者は可愛いことを強調したい表現です)、棚橋選手の発言にはある意味納得できるものがあり、そのような中で、HARASHIMA選手がどう立ち向かっていくかに、観客は注目していたに違いありません。
HARASHIMA選手もそれはよくわかっていて、あくまで明るく楽しく、正々堂々と世界のエースに立ち向かう姿勢を示すため、握手を求めたのだと思います。
ところが、棚橋選手の方は、ROH遠征以来の「握手不要論」を持っている上に、ちょうど一週間前に同じ会場で、意図を図りかねる中邑選手との握手をしたばかり。
「また握手かよ!」……と思ったかどうかはわかりませんが(笑)、「井の中のエースvs世界のエース」という闘いのシチュエーションを作り上げたはずの棚橋選手にとって、HARASHIMA選手の行動は、棚橋選手自身の言葉を借りれば「闘う図式をゼロからマイナスにする」行為に思えたのでしょう。
そういう意味では、「明るく楽しく」とは真逆の、苛酷すぎるG1を戦い抜き、一週間前に優勝旗を手にした(そして折った・笑)自負が、棚橋選手を、ある意味頑なにシチュエーションにこだわらせたのかもしれません。
握手と見せかけてスカす棚橋選手の試合後の行動も、棚橋選手にとってはHARASHIMA選手に新たな闘いのシチュエーションを提示したということだったでしょう。
ただそれが、新日本のリングであったらまだしも、DDTの両国大会にそぐわないものであったのは事実で、試合後の感情的なコメントと相まって、違和感ばかりが目立つことになってしまったのです。
(つづく)
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