2015/10/5 12:08

みんな入学したくなる!?女性ファンによる『しんにち!』レビュー

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みんな入学したくなる!?女性ファンによる『しんにち!』レビュー
5.0

今回は、ヤングアニマルで連載されている、まつもと剛志先生の『しんにち!』第1巻をご紹介したいと思います。
こちらの作品は、新日本プロレスを高校に見立て、新日本プロレスのレスラーを、学んで、闘って、プロレス愛にあふれた高校生活を送る高校生(あるいは先生)として描いた4コママンガ作品です。

ヤングアニマルといえば青年漫画雑誌というイメージがありますが、女性が読んでも楽しい4コママンガになっていますよ。
なお、誤解のないように、本物のレスラーの方々を指すときは「選手」をつけ、登場人物を指すときは、生徒ならば「くん」、先生ならば「先生」とさせていただきますね。

まず、このマンガの魅力は、絵が可愛いということ!!
表紙の絵を見てもらえればわかると思いますが、それぞれの選手の特徴を捉えつつも、とっても可愛い。
裏表紙には、レモンミルク(一時期棚橋選手が注目していたレ○ン牛乳に似ている)を飲む棚橋くんが。
身体はガッチリしているのに、表情は可愛いという、そのギャップにやられます。

それから、何といっても、学パロっていいですよね!
誰でも経験している学生時代だからこそ、一般の人にも伝わりやすいですし、よく知っているファンにとってもキャラクターの魅力が生かされるパロディだと思います。
CHAOSの敏腕プロデューサーたる矢野選手が『Y・T・R的修学旅行』『CHAOS学園』と学パロのDVDを手がけているのも、広く。さんが、棚橋選手に挑戦する内藤選手の姿を『HIGHER AND HIGHER』という学パロで描いたのも、学パロというジャンル自体が持っている魅力の現れでしょう。

基本的に女性は、男性が仲良くきゃっきゃとしているのを見るのが好きなものです。
女性のみなさん、中高時代のクラスの男子を見ているの、楽しくありませんでしたか?
ジャニーズなどの男性アイドルがセット売りなのも、芸人さんがたくさん出演するトークバラエティが人気なのも、同じ原理だと思います。

要するに、この『しんにち!』は、「こんな高校に通いたい」という、女性ファンの気持ちを具現化している面があるのです。

さて、ストーリーはというと。
プロレスを通し、健全な肉体と精神を鍛える、新日本プロレス高専。
転校生の天然ボケの棚橋くん。
棚橋に振り回されるムッツリの後藤くん。
ヒール学科なのに棚橋に振り回されるクネクネの中邑くん。
そんな三人を中心に、わちゃわちゃきゃっきゃと新日本プロレス高専の日々が綴られています。

今の新日本プロレスはキャラクターの宝庫です。
それぞれに個性的な選手が、マンガの中でどんなキャラクターになっているのかを見るのも楽しいもの。
真壁選手と本間選手が先生だったり、小島選手がプロレス部の先輩だったり。
永田選手は、プロレス部の女子マネージャー、永田子ちゃん(!)だったり……。

まあ、棚橋くんが天然ボケなのはいいとしても、後藤くんや中邑くんがベタなツッコミ役なところは、プロレスファンならば違和感があるかもしれませんね。
後藤選手はどちらかというと天然で、ツッコミ役ではないですし、中邑選手はもっとシュールなツッコミをされますよね。
そのあたりは、マンガとしての設定が優先されています。
でも筆者は、シュールな笑いを好みそうな中邑選手だからこそ、マンガの中の中邑くんがベタなツッコミをしているのがおもしろくて仕方ないです。

ほかに個人的に好きなのは、転校生のSSマシンくんをめぐるやりとりです。
「なめるなよ!」と怒りにかられて学ランを脱いだ中は、「平田」の名が入った体操服とか!
SSマシンくんに謝るため、棚橋くんが自宅に電話をすると、「はい平田です」の声とともにお母さんが電話に出るとか!
ベタですけど、改めてマンガで読むとおもしろい!

また、ベタといえば、同じくマスクマンである「ボクッ子」の女の子。
こちらはオリジナルキャラクターです。
(いくら可愛い絵柄といっても、さすがに女子が永田子ちゃんだけの高専では、紙面が男くさすぎますものね。こういう中和剤がないと)
この子はマスクマンなのですが、素顔の山田恵と、マスクをかぶったサニー・レオパルドが同一人物だとわかっていないのが、天然の棚橋くん。
あだち充の『スローステップ』かよ!(しまった、筆者の年齢がバレてしまう)という、ベタなほんのーり恋愛テイストになっています。

そんな彼らの高校生活の中に時折入ってくるのが、プロレスのもつ魅力や醍醐味を表す言葉です。

「技と力でみんなに元気を与える!それがプロレスラーでしょ!?悪役になる必要ないじゃん!?」
という棚橋くんの言葉に対して、悪役(ヒール)学科の中邑くんの答えは、こうでした。
「いいんだよ、このままで。敵同士の方が本気で潰し合えるからだよ!!」
(本物の中邑選手だったら「イヤァオ!」と答えるかもしれませんけど)

棚橋くんとオカダくんの試合を見ている中邑くんの言葉も、プロレスとは何かを読者に教えてくれるものとなっています。
「開始一分、腕ひしぎで極められるチャンスがあったとしよう。それで勝ったとして客は満足するだろうか?しないな。つまり観客を楽しませて初めてプロレスラーは勝つことを許されるんだ。そのために華麗な技で観客を惹きつけ、自らの覚悟を晒して説得する。『俺の勝つところが見たいだろ?』『オレは勝者になる価値のある男だろ?』ってな」

もちろん、これらはプロレスファンならばよくわかっていることなわけですが、プロレスの魅力や醍醐味を一般の方に広めるという意味では、マンガというのは非常に有意義なジャンルだなと思いました。
そしてまたこれらは、ファンに改めてプロレスの魅力や醍醐味を再確認させる言葉でもありますね。

さて、後半では、身体を鍛えすぎて大脳新皮質までが筋肉になってしまったオカダくんや、飛び級で入ってきた飯伏くんも登場します。
彼らがどんな学生生活を送っていくのか……。
新日本プロレス高専に自分も入学したつもりで、続きも楽しみたいと思います。

この記事を書いたライター: morohi

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