2015/8/13 9:36

喧嘩稼業 カブトと反町 【プロレス漫画レビュー】

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5.0

 最強の格闘技は何か?
 総合格闘技ブームが爛熟期を迎えていた2005年、漫画『喧嘩商売』はこの書き出しで始まった。
 
 10年の月日が流れた現在、総合格闘技ブームはすっかり過去のものとなってしまったが、この漫画の盛り上がりはとどまるところを知らない。現在連載中の第二部『喧嘩稼業』では、いよいよその最強を決める大会、陰陽トーナメントが開催されているところだ。

 様々な格闘家の集まるこの大会に、二人のプロレスラーが参戦している。

 一人は15年前に絶大なカリスマ性を誇った最強のプロレスラー、カブト。彼はその人気絶頂の頃に不幸な事件がきっかけで殺人を犯し、無期懲役刑を受けることとなった。

 そして時は流れ、カブトは陰陽トーナメント直前に仮釈放される。沿道に詰めかけるファンの前に、彼は当時と変わらぬマスクを着けて現れた。

 作中のセリフから、カブトのいた頃はゴールデンタイムでプロレスが放送されていたことがわかる。そんな時代にトップレスラーであったカブトは、まさに国民的なお茶の間のヒーローだったはずだ。最盛期に姿を消し、長い時を経て再び表舞台に現れたカブト。劇中のファンの目には、15年前のヒーローが時を超えて蘇ったかのように映ったことだろう。彼はまさに、プロレスの見せてくれた夢そのものなのだ。

 そんな正統派レスラーのカブトに対し、レスラーから総合格闘家へ転向したのが反町だ。こちらは実力はありながらもシナリオのある試合に嫌気が差してプロレスを引退。その後総合格闘技へ転向して破竹の勢いで連勝を続けるも、「あきちゃった」の一言で表舞台から姿を消している。

 このきっかけになったのが大和プロレス社長・生野勘助(名前の響きでわかるとおり、アゴが大きい)からの試合のオファーだ。反町は総合格闘ルールでありながらブックが存在することをきらい、このオファーを蹴った。それにより生野から制裁を受けるも返り討ちにしている。この時の怪我が原因で生野は再起不能になり、プロレス衰退の原因の一つになった。反町はその手でプロレスを殺したのだ。

 だが表舞台から姿を消した反町が求めていたもの、それは強者との戦い。彼はいつ来るかもわからないカブトとの戦いに備え、その牙を研ぎ続けたのだ。

 プロレスが最強の格闘技であった時代の最強のプロレスラーと、プロレスにトドメをさした総合格闘家。彼らは二人とも生野勘助に憧れてレスラーを志した同門の徒、いわば生野の遺伝子を継ぐものである。この二人の戦いにどのような結末が用意されているのか、プロレスファンなら一見の価値があるだろう。

 なおこの二人とも一回戦を勝ち抜いた場合、二回戦の第四試合で直接対決することになる。連載では現在第一試合が終了したところだ。この第一試合で開始から決着までに要した期間、実時間では約7ヶ月。このあと一回戦残り7試合、二回戦3試合の合計10試合を消化するとようやく直接対決が見られることになる。気長に待とう。

この記事を書いたライター: アサ薫

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