2015/8/8 23:44

1・2の三四郎 強さの説得力 【プロレス漫画レビュー】

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4.7
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 『1・2の三四郎』について、今更紹介は不要だろう。小林まことの代表作として知られる、言わずと知れた名作である。

 作品の前半では三四郎たち“格闘部”の面々の、スラップスティックな学園生活が軸になる。そのうえでラグビーや柔道といったスポーツに挑んでゆき、主人公の三四郎たちが学校を卒業する作品後半からはプロレスを題材として話が進んでゆく。

 この作品におけるプロレスの描き方として印象的なのが、プロレスラーの強さである。ここでいう強さとは勝ち負けの強さではなく、肉体の強さだ。

 そもそも作中では、三四郎とその仲間たちは最初からいわゆる“強キャラ”として描かれている。みなそれぞれの分野で秀でた才能を持つ面々。そんな彼らが柔道の地区大会に挑んだとき、結果を出すために柔道の訓練を始める。最初は持ち前の運動神経でこなすものの、やがて道着に血と汗をにじませながら練習を続ける様が描かれる。こうした努力の描写があればこそ、彼らが他流試合の場でも強くあることの裏付けとなるのだ。

 レスラーになってからは、そういったトレーニング描写がさらに頻繁に挿入される。中でも受身の練習については特に力をこめて描かれている。作中でかなりのトレーニングを繰り返してき三四郎たちが、トップロープからの受身一発で苦痛に顔をゆがめることになる。この厳しいトレーニングを、ノルマを達成するまで2話かけてじっくりと描写するのだ。こうした壁を乗り越えて初めてスタートラインに立てる職業であることが、読者の脳裏に強く刻まれることになるだろう。

 作中では対戦相手も交えてコミカルなやりとりを繰り広げるが、それによってプロレスの試合自体が軽く見えてしまうことはない。作中で何度も厳しいトレーニングを積んでいる姿を見せ続けたことで、その肉体は強い説得力を持つ。読者は東三四郎が強い男であると知っているからこそ、彼の戦いを手に汗握って読むことができるのだ。

この記事を書いたライター: アサ薫

コメント

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  • ノアの友寄って新人、三四郎を呼んでプロレスラーになろうと思ったらしいよ

    ID:144 [通報]
    (2015/8/11 13:03)
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